Computex 2018で予告された”Whiskey Lake”と”Amber Lake”をベースとする新しい第8世代Intel Core iプロセッサがドイツ時間の8月28日に正式発表された。今回はTDPが15WのUシリーズ(Whiskey Lake)と、5WのYシリーズ(Amber Lake)が投入される。まずはこれらについて紹介したい。

ラインナップはUシリーズ/Yシリーズそれぞれ3製品づつとなる(Photo01)。Intelの説明では、「5年前のPCと比較」して2倍の処理性能と12倍のConnectivity、それと16時間のバッテリーライフを実現できたという。

  • Photo01:「5年前のPCと比較して」12倍高速なWi-Fiと2倍のプロセッサ性能、そして16時間のバッテリーライフを実現したとする。ただバッテリーライフはともかく性能について、Gen 7世代と比較してどの程度なのか? という数字は示されていない

冒頭でお伝えした通り、分類としては第8世代に属する製品である(Photo02)。ただし製造プロセスを確認したところ、14nm++ではなく14nm+だと回答があった。

  • Photo02:おそらくはこのWhiskey Lakeが最後の第8世代Coreということになるだろう

14nm++では、動作周波数こそ上がるが消費電力も上がる傾向にある。TDPが5Wや15Wというレンジであれば、むしろ14nm+の方が効率が良い、と判断したのではないかと思われる。

このWiskey Lake、特徴としてはConnectivityを前面に打ち出している(Photo03)。例えば、常時接続/長時間での映像鑑賞(Photo04)やConnected Gaming(Photo05)、さらにはコンテンツ作成まで効果的だとしている(Photo06)。

  • Photo03:といっても実はIntel 300シリーズでPCHに802.11acのWi-Fiは統合されており、単にこれをMCMの形で搭載したというだけである

  • Photo04:これはACPC(Always on, always Connected PC)マーケットにQualcommが殴り込みを掛けていることを強く意識してのメッセージであろう

  • Photo05:さすがにこれは「映画見ろよ」と言いたい

  • Photo06:この映像コンテンツ生成は、おそらくはGPUに搭載されたエンコーダの効果(4Kビデオの作成)やGPGPUとしてのGPUの利用(Lightroom)だと思われる

構成としてはCPUとPCHを1つのパッケージにまとめたMCM形態となるが、CPUとPCHの間の接続が「OPI」というものに変わっている(Photo07)。このOPIに関してはいまのところ詳しいことは説明されていない。とはいえQPIあるいはUPIなどの高いスループットを必要とする用途ではなく、むしろDMIをベースに省電力機構を拡張したあたりではないだろうか。

  • Photo07:質疑応答の際に勿論確認したのだが、「(私はMktgなので)技術的な質問には答えられない」と返されてしまった

製品のSKUがこちらPhoto08で、i3-8145Uを除く15W製品が4コア/8スレッド、5W製品が2コア/4スレッド構成である。正直、m3-8100Yでは5Wの枠も使い切っていないと思えるが、これだけTDPを3.5Wとかにしても設計が面倒になるだけなので、統一したのだろう。

  • Photo08:COMPUTEXでAmber Lakeと紹介されたのは、このうちYシリーズに属する3製品と思われる

とりあえず現時点で説明があったのはここまで。ドイツのベルリンで開催されるIFA 2018にて搭載製品がアナウンスされると思うが、秋商戦でぎりぎり、本番は冬商戦といったあたりになるだろう。ちなみに価格などは現時点ではまだ未公表である。