ASUSから、先日レビューした「TUF Gaming」ブランドのGeForce RTX 3080 Ti搭載カードに続き、GeForce RTX 3070 Tiを搭載する「TUF Gaming GeForce RTX 3070 Ti OC Edition 8GB GDDR6X(型番:TUF-RTX3070TI-O8G-GAMING)」がやってきました。GeForce RTX 3080 Tiはたしかに信じられないほど高性能でしたが、お値段もかなり強烈。普通はいきなり20万円前後も出費できないので、価格と性能のバランスがよりすぐれているGeForce RTX 3070 Tiの登場を待っていたゲーマーも多いのでは。というわけで今回は、ASUSのTUF Gamingモデルから投入されたOCモデルをチェックしていこうと思います。
3080 Ti搭載モデルとほぼ同等のクーラーを採用
さっそく外観を見ていきましょう…と言いたいところですが、よく見なくてもカードの外観がこの間レビューしたGeForce RTX 3080 Ti搭載モデルとほぼ同一。「Axial-techファン」を3つ搭載するTUF Gaming仕様なのはもちろん、映像出力端子がDisplayPort 1.4a×3とHDMI 2.1×2なのも同じで、補助電源も8pin×2と共通です。もしや…とASUSの製品ページをチェックしたところ、TUF GamingのGeForce RTX 3090搭載モデルもほぼ同一のクーラーを採用しているような気がします。
ASUS JAPANに聞いてみたところ、「細部を除いてクーラーの仕様はほぼ同一です」とのこと。つまり、本製品なら10,496基という莫大なCUDAコアを備えた上位モデルと同様の強力な冷却能力が得られるというわけ。GeForce RTX 3070 Tiは6,144基なので、かなり余裕を持った設計になっていると言えるでしょう。
肝心の性能は?
超詳細なFounders Editionのベンチマークテストの結果については「GeForce RTX 3070 Tiを試す – RTX 3080に迫れるか? 強化版GA104の性能検証」をご覧いただくとしまして、せっかくなので「ファイナルファンタジーXVベンチマーク」「3DMark Port Royal」「3DMark TimeSpy」でかんたんに性能や高負荷時の挙動をチェックしました。
FF15のベンチマークを4K解像度でDLSSを有効化して行ったところ、「快適」という結果に。とはいえ描画にはかなりカクカクしているシーンも見受けられたので、もっと快適にゲームをプレイする余裕を確保するならもう少し設定を落としたほうが良さそう。3DMarkの負荷はそう大きくなかったのか、快適に描画が行われていました。
なお、気になっていた冷却性能はかなり優秀。3DMarkの結果を見れば、高負荷時にもしっかりと高クロックを維持して動作していたことがわかります。ファン音も至って静かで、ケースに収めずテストを実施していましたが、騒音が特別気になることはありませんでした。
お値段との兼ね合いで有力な選択肢になってきたのでは
ベンチマークテストの詳報記事「GeForce RTX 3070 Tiを試す – RTX 3080に迫れるか? 強化版GA104の性能検証」でも言及されていますが、実はGeForce RTX 3070とGeForce RTX 3070 Tiを比べてみると、あまり性能差は大きくありません。ところが最近ではグラフィックスカードの需給バランスがやや改善されてきたこともあり、最近はほぼ同価格帯で販売されていることもしばしば。ほんの少しでも性能を高められるとあれば、GeForce RTX 3070 Ti搭載製品は魅力的です。上位モデル譲りの高性能なクーラーを備えたASUS TUF Gamingブランドの「TUF-RTX3070TI-O8G-GAMING」なら、余裕のある設計で長期間にわたってゲーマーのニーズを満たしてくれると言えそうです。