米AMDが1月8日に発表したデスクトップ向けAPU「Ryzen 8000G」シリーズの一部モデルにおいて、PCIeレーンがやや少なめであることが海外テック系サイトで報じられている。グラフィックスカードとSSDをフル帯域で使う予定がある場合は、Ryzen 7000シリーズを採用したほうがベターだ。
今回取り沙汰されているAMD Ryzen 8000シリーズは、AM5ソケットを採用してZen4ベースのCPUを搭載し、グラフィックスにRadeon 780M / 760M / 740Mを組み合わせている点が特徴のAPU製品。Ryzen 7000シリーズも小規模なiGPUを内蔵して映像出力に対応するモデルが存在しているが、Ryzen 8000Gシリーズは最大12CUの大規模な内蔵グラフィックスを備えている点がポイント。HYPR-RXなどを組み合わせることで、1080p環境でゲームをある程度快適にプレイできるという。
この大規模な内蔵グラフィックス搭載にあたって、PCIeレーンが内部的に利用されているようだ。プロセッサ自体はまだ発売されていないが、GIGABYTEがAM5 B650マザーボードのマニュアルを更新。各PCIeレーンの帯域について明らかにされているという。 PCGamesNが報じた。
これによると、そもそもRyzen 8000シリーズにはPhoenix 1ベースとPhoenix 2ベースの2種類ある点から説明が必要だ。具体的にはRyzen 5 8600GとRyzen 7 8700GはPhoenix 1ベースで、Ryzen 5 8500GとRyzen 3 8300GはPhoenix 2ベース。Phoenix 2ベースの製品にはZen4+Zen4cコアが混載されている点が主な違いで、CPU性能にも差が若干あるかもしれない。
このうちPhoenix 2ベースの製品は特にPCIeレーンが少なく、ディスクリートグラフィックス用にPCIe 4.0 x4、SSD用にPCIe 4.0 x2しか用意されないようだ。ちなみにRyzen 3 8300Gの単体販売は今のところ行われる予定がなく、OEMパートナー向けのみの供給が行われるが、Ryzen 5 8500Gは単体販売も行われるため混乱が起きるかもしれない。
なお、Ryzen APUシリーズでPCIeレーンが少ないのは前モデルのRyzen 5000シリーズでも同様だった。CPU直結PCIeレーンを用いてディスクリートグラフィックスや高速SSDを組み合わせたい場合は、Ryzen 7000シリーズを採用したほうがよいだろう。