ファーウェイが10月に日本で発売したスマートウォッチ「Huawei Watch GT 4」は性能だけではなくデザインにも注力した魅力的な製品です。グローバル市場でも「Fashion Forward」をキーワードにファッション性を前面に出した製品として展開を図っています。もはやスマートウォッチは機能ではなくデザインで選ぶ時代になりました。
HUAWEI Watch GT 4は2023年9月にスペイン・バルセロナで発表されたのち、ヨーロッパやアジア各国でも製品の販売が始まっています。今回は海外で行われた製品発表会の会場で実製品を試した時の様子をお届けします。
HUAWEI WATCH GT 4は41mmと46mm、2つのサイズのモデルがあります。41mmモデルは円形でエッジを立てたややクラシカルなスタイル。ボタン(竜頭)をあえて目立たせるデザインがアナログ時計のような雰囲気を出しています。文字盤もシックなものが多数入っており、スマートウォッチではなく普通の腕時計として使いたくなるようなデザインではないでしょうか。なおカラーはシルバー、ホワイト、ブラックの3色。ベルトもそれぞれレザー、ステンレス、フルオロエラストマーと質感・デザインを変えています。
41mmの大きさは女性の腕にちょうどよく、ディスプレイは1.32インチですが解像度は466×466ピクセルと十分あり、通知などの表示も十分見ることができます。画面のタッチ感度もいいので操作もしやすいと感じました。充電は専用のワイヤレス充電台を使用、1度の充電で通常利用なら4日間、最大7日間使用できます。
一方、46mmモデルは八角形デザインでメカニカルな重厚感を味わえます。文字盤もそれを意識したデザインのものが多くプリインストールされています。本体の質感も高くこちらも精巧なアナログ腕時計のような雰囲気。ファッション性の高いデザインだと感じます。画面サイズは1.43インチ466×466ピクセル、バッテリーは通常利用で8日間、最大14日間使用可能です。
46mmモデルは男性向きとも言えますが、女性でも大きめの腕時計を好む人もいます。実際に装着してみましたが画面が大きい分視認性も高く、そしてシンプルなデザインなのでモノトーンの洋服などにも似合いそうです。カラーはグレー(ステンレスベルト)、ブラウン(レザーベルト)、ブラック(フルオロエラストマーベルト)。41mmモデル同様に本体の色に合わせてベルトの色・素材も変えており、2つのサイズバリエーションにもかかわらず、6色のカラーバリエーションはすべてが異なる製品に見えてくるほどです。
デザイン性を高めたHuawei Watch GT 4ですが、スマートウォッチならではの様々な機能も大きな魅力です。スマートウォッチに求める機能は人それぞれでしょうが、機能満載でも電池が1日程度しか持たないとなると毎日の充電が面倒です。Huawei Watch GT 4は活動量計や心拍数測定などの生体データ取得機能、スマートフォンの通知表示や通話の受信など、一通りの機能は揃っています。日常的に必要と思われる機能はほぼおさえられています。
最新の機能としてはスマートフォンのアプリで食事のカロリー量を入力し、Huawei Watch GT 4の運動量から計測したカロリー量との差を画面に表示して日々のダイエットを助ける「ボディメイカー機能」を搭載。食べ過ぎた時などどれくらい運動すればその分を取り戻せるかがわかりやすく表示されます。Huawei Watch GT 4はGPS性能も高まったので、ランニングに出かける時も位置情報のずれを最小限にしてくれます。
他には睡眠状態の測定から睡眠スコアを出し日々の睡眠の質改善をサポートする機能もあります。睡眠中の心拍数、血中酸素レベルの動きから呼吸の乱れを検出する機能も搭載しています。Huawei Watch GT 4を腕につけておけば、生活の質が日々改善されていくでしょう。
なおアプリケーションの追加や、スマートウォッチで電車に乗れる支払い機能などは装備されていません。このあたりはApple Watchなどに劣るものの、活動量計としての機能や電池の持ちなどを優先するのであればHuawei Watch GT 4にも優位性があります。そしてデザイン面ではファッションアイテムとして十分通用するでしょう。
ちなみにファーウェイは18金のフレームとベルトを採用した「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」も販売中です。こちらの価格は約50万円。スマートウォッチとしては高価なものの、18金の腕時計として考えると割安なのかもしれません。性能はHuawei Watch GT 4とほぼ同等であり、この製品も機能を悩まずにデザインだけで購入を検討できる製品と言えます。スマートウォッチをIT製品からファッション製品へと進化させたことで、今後ファーウェイ以外のメーカーからもデザインに注力した製品が出てくるようになるでしょう。
富永彩乃+山根康宏
この著者の記事一覧はこちら