グリル部分が進化したIHクッキングヒーターは、魚以外にもパンや肉を焼いたり、グラタンを仕上げたりできますよね。いい感じに焦げ目をつけたい! というとき気になるのは、庫内の料理の状態です。

10月20日に日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)が発売したコネテッド家電のIHクッキングヒーター「火加減マイスター(N2500T)」シリーズは、庫内の様子を見られる「グリルカメラ」を装備。料理を楽にしてくれそうです。N2500Tシリーズのうち、3口IHオールメタル対応で幅75cmのHT-N2500KTWFを体験してきました。

  • N2500Tシリーズ。3口IHオールメタル対応で幅75cmのHT-N2500KTWFは520,000円(工事費など別)

熱くならない扉は中が見えない!? だからカメラで解決

HT-N2500KTWFは、3口のヒーター+グリルを使って調理ができるIHクッキングヒーター。カラーはプレミアムブラック。大きなポイントは、天面のカラータッチ液晶で直感的に操作できるところです。

  • 液晶を手元に配置。機能や操作がグラフィカルに表示され、スムーズに扱えました

  • 液晶パネル表示の一例。コンロの火力によって色が変わります

  • タッチ操作でメニューを呼び出すため、ATMなどと同じ感覚で操作できます

  • 調理写真を背景に表示。直感的に選択できますね

グリル部分の扉は、調理中にドアの外側が熱くならないように配慮した「温度低減ドア」です。このグリル部分は小さな子どもの身長と同じくらいの高さにあるため、誤って触ってしまってヤケドするという事故が起こります。そこで日立は、グリルの扉を2層の遮断層と冷却層を設けた3層構造として、表面の温度上昇を抑え、安全性に配慮しました。

実際に調理中と調理直後に扉部を触ってみましたが、お風呂の温度くらいの温かさ。ヤケドするほどの温度ではないので安心です。

一方で、安全性の高い温度低減ドアは手前面がガラス窓ではないため、庫内の様子が見えません。日立が調査したところ、グリル調理中に庫内を確認したいというニーズは高いという結果に。そこで「安全性」と「グリル庫内を見たい!」というニーズを両立させるため、庫内にグリルカメラを搭載することになりました。

  • 万が一、グリルの扉に触ってもヤケドしないように配慮しています

  • ハンバーグにチーズをのせてグリルで加熱。とろりとチーズが溶ける様子

  • 実際の調理。ディスプレイで見た様子と変わりませんね

  • グリル内部の構造

  • 庫内の左側にカメラとLEDを配置しています

カメラの位置は庫内の向かって左側。固定なので視点を動かすことはできませんが、LEDで明るく照らすため、食材の焦げ目やパンが膨らむ様子などを確認できます。表示された庫内の映像は拡大もできます。

カメラで確認すると、扉を何度も開閉しなくてよいため、庫内の温度を下げる心配がないですね。また、グリル庫内の様子を見るときは、いちいちかがんでいましたが、カメラなら姿勢を変えずにチェックできて動作にムダがありません。

鶏の皮をパリッと――、味噌ダレは焦がさない――などを自動で火加減調整

N2500Tシリーズでは、グリル調理用に「ラク旨グリル(波皿)」「ラク旨オーブン(平皿)」という2種類の皿を付属しています。

  • 底が波形の皿と、平らな皿の2種類を付属

このうち、波皿のラク旨グリルを使った調理が「おまかせワンプレ調理」。肉(鶏/豚/牛)、魚(切身/丸身)、そして野菜をラク旨グリルに並べて、味付け(塩/たれ)やメニューを選ぶと分量と食材に適した火力と時間でオート調理する機能です。

これまでの野菜と一緒に肉や魚を焼くモードでは、自分で時間や火加減を調節する必要がありました。今回は勝手に調節してくれる点が異なります。

食材量の目安は、肉料理の場合、肉が約200g~400gに対し、野菜は肉のおよそ0.6~0.8倍。魚の場合、丸身が約200g~400g、切り身が約100g~400gに対し、野菜は肉料理の場合と同じく0.6~0.8倍です。

野菜は食材の大きさにも工夫が必要で、ひとくち大のサイズ、厚さ1cm以下となります。作り方を見ると、肉か魚を決めたあとは家にある残り野菜を切って並べればいいので、準備はラクそう。また、塩やタレなど味付けを選べるため、味噌ダレなど焦げやすい味付けのときは絶妙のコントロールで焦がさないように調理してくれます。

「ワンプレ調理」で完成した料理を見てみると、鶏肉の皮はパリッと焦げ目がついた焼き具合。味噌を使った焦げやすい「鮭のちゃんちゃん焼き風」は、食材にしっかりと火が通っていながら焦げていないという理想的な仕上がりでした。

  • 「皿温度センサー」がプレートの温度上昇を検知。鶏モモなど大きな食材もちょうどよく加熱します

  • 個人的に感動した「鮭のちゃんちゃん焼き風」は絶妙な加熱具合

ゆで玉子や簡単パスタなども火加減を自動で調節する「おまかせIH」

グリル調理に注目してきましたが、IH側でも「おまかせ」調理のメニューを用意しています。

まず「簡単パスタ」は、フライパン(持ち手を着脱できるタイプ)にパスタと具を入れて作るメニュー。最初からパスタも具も入れて一緒に加熱します。麺を別にゆでなくてもよいため、簡単に作りたいランチなどで活躍しそうです。

フライパンひとつでパスタを具と一緒に加熱して仕上げる「ワンパンパスタ」メニューがSNSで紹介されていますが、上記の簡単パスタは、自分でフライパンのそばにいなくてもIHコンロが勝手に火加減を調節してくれるので、さらに手軽です。

ほかには、好みの固さに合わせてタイマー設定できる「ゆで玉子」、煮物を上手に作る「簡単煮物」メニューなどもあります。味玉やカレーのトッピングで半熟玉子をよく使う我が家では、「ゆで玉子」メニューが活躍しそうです。

  • ゆで玉子メニューは、「半熟」「ふつう」「固ゆで」といったように、好みの固さを設定して調理できます

  • 「簡単パスタ」メニューで作る「ペペロンチーノ風キャベツスープパスタ」

  • マイナビニュース +Digitalの林編集長が今回のN2500Tシリーズで作った料理を試食。ハンバーグは中までふっくら、野菜もしっかり加熱されていて、美味しくいただきました

IHクッキングヒーターの火加減オート調整や時間設定などは、家電らしい魅力です。新型ではカメラ機能が加わったことで、より思いどおりの調理がしやすいアイテムになったのではないでしょうか。気軽に買える金額ではありませんが、リフォームや新築の予定があるなら、候補に入れておきたい製品です。