フィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサ監督の最新作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』より、尚玄が演じる主人公をとらえた場面写真4点が6日、公開された。
『キナタイ -マニラ・アンダーグラウンド-』(09)で第62回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、『ローサは密告された』(16)など、不条理な社会でもがきながら懸命に生きる人々を撮り続けてきたブリランテ・メンドーサ監督。最新作『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は、プロボクシングライセンスが取得できない日本からフィリピンへと渡り、プロボクサーを目指した“義足のボクサー”を描く感動作だ。
主人公・尚生は、義足のために日本でのプロボクシングライセンスが取得できず、夢を叶えるためフィリピンへと渡る。そこでは毎試合前にメディカルチェックを受け、アマチュア戦で3戦全勝すれば義足であってもプロライセンスが取得でき、プロのリングに上がれるのだ。実話の映画化に挑んだのは、沖縄出身の国際派俳優、尚玄だ。自ら主演し、製作にも名を連ねた尚玄は、構想から約8年間もの歳月を費やして映画化を実現。プロデューサーの山下貴裕とともに数年にわたり東奔西走し、フィリピンの名匠ブリランテ・メンドーサとのタッグを実現させた。脚本は渡されず、当日セリフが教えられるという異色の演出方法の現場でプロボクサーとの試合シーンにも全力で挑み、コロナ禍で撮影が一年以上中断になった際もストイックに体型を維持、尚生を体現している。
今回解禁された場面写真は、真摯なまなざしで夢に向かって突き進む義足のボクサー尚生の4つの場面をとらえている。ライセンス申請却下の通知を見つめる表情からは、日本で夢を絶たれた痛切な思いが滲む。初めてフィリピンのジムに足を踏み入れた場面をとらえた1枚は、一転して新たな挑戦への希望に満ち、スパーリング中に相手を見据える瞳は夢を諦めない力強さを感じさせる。リングに立ち、対戦相手と拳を合わせる尚生の姿は、義足でありながら、一人のボクサーとして特別なことなど何もないと体現。並々ならぬ熱意で映画化を実現した尚玄と、夢を諦めずにフィリピンへ渡った主人公・尚生の人生の重なりが、演技にさらなる深みを持たせている。
『義足のボクサー GENSAN PUNCH』は、5月27日沖縄先行公開、6月3日TOHO シネマズ日比谷にて先行公開、6月10日全国公開。
(C)2022「義足のボクサー GENSAN PUNCH」製作委員会