今月、突如話題になり、いつの間にかブームとなっている「Vampire Survivors」というゲームをご存じでしょうか? 本作は昨年Steamにて早期アクセスが開始されたものの、日の目を見ないタイトルでした。それがインフルエンサーに紹介されたことによって注目を浴び、現在では世界中でプレイされている人気タイトルとなりました。
本作の内容はとてもシンプルで、アイテムを獲得してキャラクターを強化しながら、迫りくる敵を撃破していく、ローグライトゲーム。アクション要素は殆どなく、攻撃も自動で行なわれます。
価格は300円と非常に安く、プレイも購入も手軽にプレイできる点が、ヒットの要因となったのではないでしょうか。
筆者は、友人がプレイしているのを見て「こんな地味なゲーム、面白いの?」と思っていましたが、いざプレイすると非常に中毒性が高いゲームで、かなりの時間を費やしてしまいました(笑)。
■余りにもシンプルな操作性
さて、本作は見下ろし方のローグライトゲームで、プレイヤーが行なえるのはWASD(もしくはコントローラーの左スティック)でのキャラクター移動と、レベルアップ時のアイテム選択のみ。攻撃さえも自動なので、片手でプレイできます。
周囲から迫ってくるモンスターを倒しながら、30分間生き残れればゲームクリアとなります。死んだり、クリアすると装備はリセットされるので、毎回違ったプレイが可能です。
こちらの攻撃は、武器を使って行なうのですが、武器は種類に応じて挙動や、クールダウンが決まっており、キャラを移動させることで、うまく敵にヒットさせることが必要となってきます。
一方の敵キャラは、剣を振ったり、弾を飛ばしてくるといった攻撃をしてくる訳ではなく、自キャラに向かって歩いてくるだけで、触れるとダメージを受けてしまいます。時間の経過ごとに敵の数はどんどん増えていき、体力の高い中ボス的なモンスターもでてくるので、なるべく多くの敵を倒し、自キャラを強化できるかが攻略のカギとなります。
■武器やアイテムの選択が悩ましい
武器の種類は様々で、近くにいる敵を攻撃する「魔法の杖」や、ブーメランのような「十字架」などが存在。自キャラは最初から、武器を一つだけ装備しており、レベルアップをしたり、中ボスが落とす宝箱を拾うことで、新たな武器を入手したり、既に持っている武器を強化することが可能です。
レベルアップ時には、3つの選択肢の中から、何を入手するかを選ぶことに。本作でプレイヤーが移動以外にできることは、この武器とアイテム選択のみとなっています。既に持っている武器やアイテムとの組み合わせを考えながら、何を入手し、何を取らないかは悩ましいです。
武器以外にも、自キャラの強化ができるパワーアップアイテムも存在します。また、武器とアイテムはそれぞれ6個まで持つことが可能です。また、特定の武器とアイテムの組み合わせで、武器がパワーアップすることも。終盤は敵のラッシュが厳しく、パワーアップした武器がクリアには必須級です。終盤には、自キャラの放つ攻撃のエフェクトも、それを受ける敵の数も、とんでもない量になるため、カオスな画面を楽しめます(笑)。
■経験値をどうとるかが鍵に
本作のポイントは、敵を倒せば自動的に経験値が入るわけではないということ。敵を倒すと落とす、ジェムを取らなければ経験値は入らず、キャラクターを強化することができません。
経験値を得るためには敵の群れに突っ込んでいく必要がある場面もあり、時には敢えて取らない選択も重要です。幸い、ジェムや宝箱は時間や画面外に行ってもで消えないので、好きなタイミングで拾えます。
ちなみに、フィールドにあるオブジェクトを壊すと、後述する金貨や、回復したり、敵の動きを止めるアイテムが落ちるのですが、これを直ぐに取らず、ピンチの時にゲットすれば危機を脱することも可能です。
■キャラ開放や、恒久的なパワーアップも
本作では一度ゲームオーバーになると持っていた装備などは無くなってしまいますが、ゲーム中に手に入る金貨を使って、キャラを開放したり、恒久的なパワーアップを購入することが可能です。
キャラクターは、鞭を持ったヴァンパイアハンターや、魔法の杖を持ったメイジなどが存在し、各キャラがダメージ増加や、攻撃範囲の拡大といった、固有のアビリティを有しています。
■プレイするハンドスピナーのようなゲーム
本作は非常にシンプルなゲームであることは間違いありません。その一方で、アイテムのランダム性や、経験値やアイテムをどう拾うかなど、考えるポイントもしっかりと存在します。
自キャラが強くなっていく過程や、敵の数もどんどん増えていき自キャラを追い込んでいく様子など、現在の状況が一目するだけで分かるので、常に直観的にプレイすることが可能です。一度倒れても、キャラのパワーアップをしたら直ぐに次のプレイへ挑みたくなる、そんな中毒性も持っています。
そんな本作は、地味だけれど、なんだか遊びたくなるし、なんならずっとプレイしていてもいいと思える作品。しかもいくら遊んでいてもストレスがなく、なんだか心が落ち着く、「プレイするハンドスピナー」のような作品だと筆者は感じました。
尚、本作は今後もアップデートを続けていき、最終的にはストーリーモード等も追加されるとのこと。話題になってからは、かなり頻繁にアップデートが入り、現在は完全ではないですが日本語化もされています。
300円と非常に安いゲームなので、是非プレイしてみてください。