スマートウォッチなどのウェアラブル製品を展開するヘルスケアブランド「Amazfit(アマズフィット)」が、スマートリング「Helio Ring(ヘリオ リング)」を2024年10月10日に発売しました。

いつもはスマートウォッチで健康管理している筆者ですが、リングでの健康管理はどのようなものか試すべく、Helio Ring(8号サイズ)の実機をメーカーから借りて短期間試用してみました。

  • 「Helio Ring」の8号を装着。販売価格は49,900円前後

サイズは3タイプ。着け外しやすいサイズ選びが重要

Helio Ringの素材は軽量で肌に優しいチタン合金。10ATMの耐水性があるので、手洗いや洗いものなど、日常生活での水濡れは問題なく使えます。

国内での販売サイズは3サイズあり、本体の幅は8mmで厚さは2.6mm。いろいろな機能が搭載されている分、リングが太めでやや厚みがあるので、サイズ選びを慎重にする必要があると感じました。

Helio Rinのリングサイズ

  • US8号(日本サイズ16号) 内径:60.3mm 重さ:3.65g
  • US10号(日本サイズ20号) 内径:66mm 重さ:3.75g
  • US12号(日本サイズ25号) 内径:71.3mm 重さ:3.82g
  • Helio Ringを真上から見たところ。センサーの凹凸がある

  • センサーと反対側の表面は細かいドット柄になっている

  • 内側にあるセンサー部分

メーカーが推奨している装着場所は人差し指で、この指に装着するのが一番、測定の精度が良いそうです。人差し指に付けにくいという人は、中指や薬指でも良く、筆者は中指に装着して使いました。

ただ親指は他の指と比べて測定数値に差が出てしまうので、親指以外の指での使用が望ましいそうです。

リング内のセンサーは片側に集中していて、その面を手の平側に向けて装着します。手の平側の方がより血管に近いので、正確な数値が測定できるそうです。

手の平側の面には印があり、手の甲側は細かいドット柄になっているので、装着する向きがわかりやすくなっています。

  • 印があるので手の平側にあてる面がわかりやすい

ただちゃんと装着しても、気がついた時にリングが回転していることがあります。その場合、血流が測定しづらくなり、厳密な数値が取れなくなるので注意が必要です。

リングが回転するほどゆとりがあることもあれば、寝起きの時はリングがきつく感じることもあり、充電したいのになかなかリングが外せないということもありました。

ベルトタイプのウォッチと違って微妙なサイズ調整ができないので、最初のサイズ選びがかなり重要であると感じました。

詳細な睡眠データが取得でき、生成AIを活用したサービスも

Helio Ringは、Amazfitデバイス用の「Zepp」アプリとペアリングして利用します。Helio Ringで取得した生体データをもとに、アプリで詳細な睡眠データが確認でき、睡眠時間、睡眠規則性、睡眠の質、心拍数、呼吸の乱れなどがわかります。

これらのデータから睡眠スコアが算出されるのですが、筆者はあまり睡眠の質が良くないようで、いつも60~70点台と低め。睡眠スコアがどれくらいか気になるので、毎朝、チェックしていました。

  • Zeppアプリの睡眠データ(Android版。アプリの表示内容はOSやバージョン等によって異なる)

  • 睡眠時の心拍数データ

  • 睡眠時の呼吸の質(ベータ版)

アプリでは睡眠の質を改善するためのアドバイスが表示され、その内容はしっかり読んで参考にしました。

それに加えて生成AIを利用した睡眠やリラクゼーションをサポートするサービス「Zepp Aura」というものがあります。ヒーリングサウンドが聴けたり、質問を入力すると答えてくれたりします。チャット形式で手軽に質問もできるので、睡眠に関するアドバイスを得ることができました。

  • Zepp Auraのヒーリングサウンド。聴くことで気持ちが安らげる

  • チャット画面に質問を書き込むと、Zepp Auraがアドバイスしてくれる

Zepp Auraは月額9.99USD(約1,507円)、年額29.99USD(約4,525円)の有料サービスなのですが、Helio Ringの購入特典として、現在は無料で利用することができます。この特典がいつまで利用できるかは未定なので、今のうちにしっかり活用しておくのがお得だと思います。

睡眠スコアのほかに毎日、確認していたのがレディネススコア。メンタルとフィジカルの回復度合いをスコア化するもので、身体がひと晩でどれだけリカバリーできたかがわかります。このスコアが高いと、「今日も1日頑張ろう!」という気持ちになりました。

  • レディネススコアが高いと心身共に良好な状態

対応ワークアウトは4つ。ケイデンスやストライドも取得

リングのワークアウトメニューは、ランニング、ウォーキング、サイクリング、トレッドミルの4つだけ。ここはやや物足りなく感じました。

とはいえ、筆者がウォーキングで試してみたところ、ワークアウトの記録自体はコースや速度、心拍数、高度、ケイデンス(足の回転数)、ストライド(1歩の歩幅)など、詳細なデータが取得できます。

中でもラップ記録で、1kmごとの心拍数がわかるのは便利だと思いました。ワークアウトはランニングしかやらないなど、この4項目のワークアウトで間に合う人なら問題ないように思います。

  • ウォーキングのワークアウトデータ

  • 1kmごとのラップデータで心拍数もわかるのが便利。なおラップタイムが1時間以上になっているのは、筆者が買い物や休憩をしながら歩いていたせいです

ただ、リングの場合は必ずスマホでワークアウトをスタートする必要があり、ちゃんと起動しているかどうかも、アプリでの確認になります。

最近ではウォッチ単体でワークアウトできるタイプが増えているので、ワークアウトにスマホが必須なのはやや軽快さに欠ける印象。ウォッチの方が操作や情報確認が手軽にできて便利だと感じました。

とはいえ、就寝時はウォッチよりもリングの方が身体の負担が少なくてラクです。ウォッチの重さはだいたい50g程度でそれほど重いわけではないのですが、腕に装着しているわずらわしさもあり、就寝時はリングの方がラクで良いなと思いました。

リングとウォッチの併用がベストかもしれない

そこでリングとウォッチを併用するのがいいのではないかと考えました。ZeppアプリにAmazfitのウォッチとHelio Ringをペアリングして、基本は両方を装着するのですが、夜はリングのみ。ウォッチを装着する手の甲側の腕よりも、リングを装着する手の平側の指の方が血管に近いため、より正確な数値が測定できるそうで、それも好都合です。

Helio Ringのバッテリーは最大4日間(約96時間)持つのですが、筆者は24時間のモニタリングにしていたので、意外と早くなくなりました。2日くらいでバッテリー残量が心細くなるので、主に入浴時間に充電していたのですが、満充電にするためには約1時間40分程度が必要になり、入浴時間だけでは充電が完了しませんでした。この問題についても、ウォッチを使うことでデータが取得できない時間を減らすことができるので、併用するのが便利だと思います。

  • 充電器の印位置に合わせてセット。充電中は白い光が点灯する

リングでの健康管理は装着しているわずらわしさがあまりなく、思いの外よかったです。ただ、単体では少し物足りなさもあるので、ウォッチと併用することで、さらに便利に活用できそうです。