パナソニックは6月6日、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「LUMIX GH7」を発表した。GHシリーズで初めて像面位相差AFに対応したほか、動画RAW内部記録などに対応。新たに、リアルタイムLUTも利用できるようになった。ワンオペで動画を撮影したいクリエイターを中心に売り込む。

ボディ単体モデルと、標準ズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」が付属する標準ズームレンズキットを用意する。価格はオープンで、予想実売価格はボディ単体モデルが274,200円前後、標準ズームレンズキットが347,500円前後。7月26日より発売する。

  • 動画クリエイター向きのマイクロフォーサーズ機「LUMIX GH7」

LUMIX GH7は、前モデルから基本性能を一新したモデル。新開発の有効画素数約2,520万画素の裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載し、広いダイナミックレンジと像面位相差AFの搭載によるAF性能向上が図られている。

新機能の「13+ストップ ダイナミックレンジブースト」は、低ノイズと高飽和の特性を持った階調豊かで滑らかなHDR撮影を可能にするもの。この機能によりRAWデータの暗部階調が豊かになるという。V-Logなどの動画撮影時特のダイナミックレンジが、LUMIXのマイクロフォーサーズ機として最大となる13+ストップとなり、明暗差の大きなシーンでも白トビや黒つぶれを抑え階調の広い映像記録が行えるようになった。

AF機能は像面位相差AF(779点測距)を採用。自動認識AFとの組み合わせで逆光や低照度撮影時で被写体が判別しにくいシーンや、複数の人が交差するシーンなどで優れたAF追従性能を発揮する。自動認識機能は、ディープラーニング技術を用いた認識AIにより、人物認識や動物認識でより小さな被写体を認識できるようになった。加えて、動物、車、バイク、飛行機、列車などの認識機能も搭載している。ほかにも、動画周辺歪み補正や強モードを搭載した「動画アクティブ I.S.」、手ブレ補正技術(B.I.S / Dual I.S.2 / E.I.S.)も進化した。

映像記録においては、5.7K/30pのApple ProRes 422 HQ、Apple ProRes RAW HQの内部記録が可能に。世界初の機能として、撮影時の音声録音レベル調整が不要な「32bitフロート録音」にも対応した。また同社では初となる「ARRI LogC3」記録にも対応し、ARRIのシネマカメラとのカラーマッチングも可能となった。

ハード面では、ファンを内蔵する放熱構造によりバッテリーと記録メディアの許す限り動画を記録し続けられる。きょう体はマグネシウム合金フレームの採用で堅牢性が高く、ボディの接合部や操作部材にはシーリング構造を採用。防塵 / 防滴 / -10度の耐低温設計で過酷な環境下での運用にも耐えられる。

ディスプレイは、タッチパネル式の約184万ドット3型サイズ。270度のフリーアングルとチルトを組み合わせたチルトフリーアングル構造となっている。記録メディアはCFexpress Type Bカード、SDXCメモリーカードを使用でき、ダブルスロット記録にも対応。静止画の撮影可能枚数は最大850枚、動画の連続影時間は約100分。本体サイズは約W138.4×D99.6×H100.3mm、重さは約721g(本体のみ)。