中国・深圳に本社を置くKandao Technologyが、CP+に初出展。2024年内に発売予定の8K全天周カメラ「QooCam 3 Ultra」や、先日のH3ロケット打ち上げの撮影にも使われたという業務用全天周カメラなど、複数の製品を出展していた。
QooCam 3 Ultraは最大8K/30fpsの全天周動画撮影が可能な小型カメラで、本体にある2.19型タッチスクリーンを使って撮影した写真や動画を手早く確認できるのが大きな特徴。6軸ジャイロスコープを内蔵し、ボディ内手ブレ補正機能を装備するほか、カメラ内ライブ配信に対応、GPSモジュールも搭載する。
中国では7月に発売予定で、国内でも2024年内の発売をめざしている。価格は未定だが、国内販売代理店である三友の説明員によると「10万円を切りたいと考えている」とのこと。
Kandaoでは最大5.7K/30fpsや4K/60fpsの動画が撮れる「QooCam 3」(直販55,000円)や、最大8K/30fps 10bit対応の業務用モデル「QooCam 8K Enterprise」(同22万8,800円)など複数の全天周カメラを既に発売している。新機種のQooCam 3 Ultraは、位置づけとしては細長い形状のQooCam 8K Enterpriseの後継機種にあたるが、デザインはQooCam 3と同じようなアクションカメラ風の形状を採用し、さまざまなクリエイター向けに設計しているところが注目ポイントだ。
なお余談だが、三友の説明員によると、QooCam 8K Enterpriseは先日のH3ロケット2号機の打ち上げ撮影のためにさる企業が調達していった実績があるそうで、映像の品位の高さには自信を持っている模様。いずれ同製品を使った迫力あるロケット発射の360度映像が国内で見られることに期待したい。
QooCam 3 Ultraの光学系は、2つの1/1.7型CMOSイメージセンサーと明るさF1.6の魚眼レンズで構成。撮影できる全天周動画の解像度は、8K(7,680×3,840ドット)/30fps、5.7K(5,760×2,880ドット)/60fps、4K(3,840×1,920ドット)/120fps。10bit HLG(ハイブリッドログガンマ)方式のHDR、BT.2020色域にも対応し、たとえば日の出や日没といった明るさの変化が大きくなるシーンでも「繊細でスムーズな色の移り変わりを再現できる」とする。
静止画の解像度は96MP(13,888×6,944ドット)で、カメラ内ステッチングと長時間露光技術を駆使し、後処理不要でインパクトのある360度写真を記録して共有可能。DNG8ファイル形式とRaw+のアルゴリズムによってパノラマ写真を向上させ、豊かな画像のディテールを保持し、優れた品質を追求。DNG8形式は「後処理と編集のさいにも大きな柔軟性を提供できる」としている。
カメラ内画像処理も強化しており、ステッチングはリアルタイムで実行。手ブレ補正や、ネットワークにカメラをつないでのライブ配信にも対応する。このほかサウンド面では、4chマイクを内蔵し、撮影中にカメラが回転しても音が正しい方向から聞こえてくるようにする「アンビソニックス立体音響技術」をサポートしている。
通信機能として、Wi-Fi 6(802.11ax)準拠の無線LAN、Bluetooth、GPSを内蔵。本体のUSB Type-C端子に、別途用意したUSBアダプターを取り付けることで、有線でのネットワーク接続にも対応する。本体は冷却ファンを内蔵しながらIP68防水にも対応するが、ライブ配信を行う場合は本体のインタフェースカバーを開ける必要があり、そのさいは防水非対応になるという。
容量128GB(実容量110GB)の内部ストレージを備え、別途用意したmicroSD/SDHCメモリーカード(UHS-I対応)で容量を拡張することもできる。内蔵バッテリーの容量は2,280mAh。本体サイズは71.5×103.2×26.6mm。