ごく一部のMFレンズを除き、サードパーティー製の交換レンズが存在しないRFマウント。「キヤノンはRFマウントを他社に開放しない方針のようだ」といった推測がSNSなどで飛び交っていますが、キヤノンでカメラ事業を統括する責任者は「キヤノンは、サードパーティーのメーカーとコミュニケーションを取っている。コミュニケーションの深さは(製品化までの)半分以上は行っているのでは」とコメント。シグマやタムロンなど、実力派のサードパーティーからAF対応のRFマウントレンズが登場するのも夢ではなさそうです。
さまざまなメーカーと以前より積極的に交渉を進めている
CP+2024開幕初日の2月22日、キヤノンのカメラ事業の責任者を務める、キヤノン イメージンググループ副管掌 専務執行役員の戸倉剛氏が報道陣の囲み取材に応じました。
サードパーティ製の交換レンズが続々と登場するEマウントやZマウント、Xマウントを横目に、RFマウントはごく一部のMFレンズを除き、サードパーティー製の交換レンズが存在しない状況が続いています。この状況から、写真ファンの間では「RFマウントは他社に開放しない方針なのか」「AFレンズはダメだがMFレンズなら出してよい、といった“縛り”を設けているのか」といった推測や噂話が飛び交っています。
これらの疑問を戸倉氏にぶつけたところ、「キヤノンはRFマウントレンズについて、サードパーティのメーカーともいろんなコミュニケーションを取っている」「縛りというものはない」と即答。写真ファンの間で噂されている推測をスパッと否定しました。
「(2018年9月に)RFシステムを世に送り出して、今年でやっと6年目。自社のレンズは40本を超えて、ラインナップが揃ってきた。自分たちの状況や環境を踏まえながら戦略を考えている」と語る戸倉氏。「サードパーティーのメーカーとのコミュニケーションは、初期のころよりは深まっている」とも語り、以前よりも積極的にやり取りを進めていることを明かしました。
サードパーティーからRFマウントの製品はいつぐらいに出るのか、という問いに対しては、明確な回答を避けつつも「コミュニケーションの深さは(製品化までの)半分以上は行っているのではないか」と回答。交渉が順調に進んでいることを示唆しました。
キヤノンは「RF200-800mm F6.3-9 IS USM」や「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」、「RF100-300mm F2.8 L IS USM」など、超望遠レンズを中心に競合他社にはないとがった製品を積極的に投入しており、ユーザーから評価されています。しかし、シグマやタムロンなどのサードパーティーは、明るい単焦点レンズなどメーカー純正品にはない個性的な製品を多数ラインナップしており、それらの交換レンズがEOS Rシリーズで使えるようになれば、ユーザーにとってシステムの魅力は確実に高まります。近い将来、状況が大きく動くことに期待したいと思います。