ベルキンから「Belkin 67W 3ポートUSB-C充電器」が発売された。120gのUSB PD対応67Wアダプターで重量は120gしかないのに、3つものUSB-Cポートが装備されている。
増えてきた出張などに携行するには軽いにこしたことはない。3つのポートがあればひとつのポートあたりの重量は40gだ。使い勝手はどうなんだろうかとベルキンにお願いして試させてもらった。
日々の充電はPC、スマホ、予備デバイスで3ポート必要
どうして3ポートも必要かというと、ひとつはパソコン、もうひとつはスマホで、最後のひとつは日中に消費したモバイルバッテリ、スマートウォッチ、予備のスマホなどのために使いたい。寝ている間に3つのデバイスを充電でき、朝起きたときには全部がフル充電されていれば、安心して一日をスタートすることができる。
まず、単一ポートで67W出力ができる。縦に並んでいる3つのポートのうち、どれを使っても、ひとつのポートしか使わない限り67Wだ。これは比較的大容量の電力が必要なパソコンの充電に適している。
1つめのポートだけを使って67W充電をしているときに、2つめのポートにデバイスを接続すると、最初のポートは45Wに再構成され、新たに使う2つめのポートには20Wが割り当てられる。パソコンの充電にも45Wあればまず問題ないし、それでスマホも20Wで充電できる。
さらにさらに、3つめのポートにデバイスを接続すると、ひとつめのポートは25W、ふたつめとみっつめのポートは20Wに調整される。ざっくり20Wが3ポートというイメージになるが、とにかく、多少時間がかかっても3デバイスに充電したいという場合もある。
充電アダプタはUSB PD 30W対応の使い勝手がよい
現状のデバイス事情を考えると、充電用のアダプタはUSB PD 30W対応のものを選ぶのがいい。もっともつぶしがきく容量でしかも軽量コンパクトだ。iPhoneはもちろん、Androidスマホやタブレットなどでも30Wでの急速充電ができる。
また、パソコンも30Wに対応し、時間はかかっても充電ができる製品が多い。パソコンとスマホの両方をつないだままでも、就寝中にスリープさせながら充電すれば起きたときには満充電になっているだろう。
だったら30Wのアダプタを2つ携行すればいいじゃないかという話になりそうだが、いざというときに67W出力ができることで、より大容量の急速充電ができる。お昼休みに午後に使うパソコンの充電をするといった場合に重宝するのだ。
67W単ポートのアダプタは軽いものなら100gを切るかもしれないが、この製品なら3ポートで120gだ。臨機応変に使えるだろう。
緊急的に67Wの大出力も、臨機応変に使えるのが便利
出先での短時間での急速充電には大容量出力が欲しいし、宿泊先のホテルでの就寝時なら、それほどの大容量はいらない。そう考えると、3ポートを持ち、利用するポートの数で実用レベルで容量が分配されるこのアダプタは便利この上ない。
なお、67W充電にはUSB PDの規格に適合する60W超対応ケーブルが必要だが、60W充電でよければどんなケーブルでも大丈夫だ。
欲をいえば、どこかのポートに接続されたデバイスがフル充電になったところで電力割り当てを再構成してくれれば、充電したいデバイスを全部接続したまま寝てしまえばいいのだが、こればかりはデバイスが電力を確保する権利を放棄、つまり、自分自身を切り離してくれなければそうはならない。
だから、満充電になったことに気がついたら、アダプタか充電デバイスのどちらかからケーブルを抜く必要がある。ケーブルの抜き差しを検知して電力の再割り当てが実施される仕組みになっているからだ。
これはこれでめんどうくさい。つないだら放置が理想だ。再割り当て時の瞬断(瞬電)などを含め、このあたりは複数ポートを持つ充電アダプタ全般が考えるべき今後の課題といえそうだ。
著者 : 山田祥平
やまだしょうへい
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