ローランドは、さまざまなアンプシミュレーターと「Celestion Digital」のキャビネットIRを組み合わせた11のアンプタイプを搭載するBOSSブランドのペダルエフェクター「IR-2」を2023年12月16日に発売する。市場想定価格は26,400円前後。
「IR-2」は11種類のアンプ・タイプと「Celestion Digital」のキャビネットIRを搭載し、リアルなギターアンプサウンドを創出できるペダルエフェクター。IR(インパルス・レスポンス)とは、アンプや音響機器、再生システムのそれぞれが持っている音の特性を記録したオーディオファイルを指し、このファイルには、録音する際の空間の残響と、使用した機材や演奏環境に左右される音の特性が記録されている。
サンプリングレート96kHz、内部演算32bit float(浮動小数点)処理によるオーディオを扱え、実際にマイクで収音した際に得られるサウンドを緻密にシミュレートしている。使用しているペダルボードの最後段に接続することで、自宅練習、ライブ・パフォーマンス、レコーディングなど、さまざまなシチュエーションで、ギターアンプのサウンドキャラクターを含めた音作りが行える。
11タイプのアンプタイプは、クリーンやクランチ、モダンなスタックタイプのハイゲインタイプまでを揃えている。それぞれのタイプには、アンプのサウンドキャラクターを最大限に引き出す「Celestion Digital」のキャビネットIRをプリセットしており、接続するだけで、すぐにプロフェッショナル品質のサウンドが得られる。また、専用アプリ「IR-2 IR Loader」(macOS/Windows)」の使用により、外部キャビネットIRのデータを取り込むことも可能となっている。
内蔵する11タイプのアンプタイプは以下の通り。
- CLEAN:アンプ特有の耳につく高域や低域のクセを抑えた、BOSSオリジナルのクリーンアンプ
- TWN:Fenderの「Twin Reverb」をモデリング
- TWEED:Fenderの「Bassman 4×10」をモデリング
- DIAMOND:VOXの「AC30」をモデリング
- CRUNCH:BOSS独自のMDP(Multi-Dimensional Processing)により、高い分離感と歯切れの良さを実現したオリジナルのクランチアンプ
- BRIT:Marshallの「1959」をモデリング
- HI-GAIN:MDPにより、レンジが広く心地よい分離感が得られるオリジナルのハイゲインアンプ
- SLDN:Soldanoの「SLO-100」をモデリング
- BROWN:ファットでエッジの効いたオリジナルのハイゲインアンプ
- MODDED:MDPにより、激しい歪みでも音の輪郭を損なわず、芯のあるサウンドを実現するオリジナルのハイゲインアンプ
- RFIER:MESA/Boogieの「Dual Rectifier」のチャンネル2 MODERNモードをモデリング
MDP(Multi-Dimensional Processing)とは、入力信号をさまざまな角度から解析し、瞬時に各要素に分解。それぞれの要素に適した多次元的なエフェクト処理を同時進行で行い、かつ入力信号に応じて動的に変化させることで、これまでにない表現力を実現するBOSSの独自技術である。
パネルレイアウトは直感的な音作りを可能にするデザインを採用。LEVEL、GAIN、TREBLE、MIDDLE、BASSのノブにより、ギターアンプさながらの音作りができる。また、ステレオ入力(TRS)に対応するSEND/RETURN端子を装備しているので、ディレイやモジュレーション系のエフェクトを取り込める。さらに、PCとの連携を可能にするオーディオインターフェイス機能を備えたUSB Type-C端子、自宅での練習に最適なPHONES端子など、各種入出力端子により、さまざまな状況において、一貫した音作りが行える。
サイズ/質量はW73×D129×H59mm/450g(電池含む)。本体のほか9V形のアルカリ電池(本体に接続済み)などが付属する。