狭間たかおです! 今回は趣味のDJについて語ります。ゆるっとお付き合いいただければ嬉しいですー。

フジロック前夜祭のDJにやられた、しびれた、うおーって叫んだ

突然ですが、わたしがDJに興味を持ったのは2012年に参加したフジロックでのことでした。フジロック開催日の前日には“前夜祭”があって、本編に出演するアーティストのサプライズライブなんかを楽しめるんですが、このときはうまく休みが取れて、はじめてこの前夜祭に参加できたんです。普段であればスケジュール的に前日からの参加は難しいので、本当にうれしかったことを覚えています。

友人たちとまだ明るいうちに現地に着いてキャッキャ言いながら会場へ。まずは盆踊りを横目で見ながら杯を交わしてほろ酔いに。そしてレッドマーキー(ライブ会場)のゲートがオープンするとともにダッシュで入場! その直後、フジロック前夜祭の顔と言っても過言ではないDJ MAMEZUKA氏のDJプレイが始まったのです。

  • 2012年のフジロック会場にて(筆者撮影)

そもそもDJって、テクノやハウスみたいなおしゃれでダンサブルな曲をかけるイメージを持ってたんですけど、このときの選曲はまさにロック一本背負い。この年のフジロック初日のヘッドライナー、ストーン・ローゼスの大名曲「I Wanna Be Adored」がいきなり大音量でかかって、もう会場大合唱だったんですよね。わたしも友人も、拳を突き上げながら一緒に歌ったことを覚えています。

ちなみに2012年のフジロックはストーン・ローゼスにレディオヘッドにノエル・ギャラガーと、UKロックの濃度がとても高い年でした。それを受けてDJ MAMEZUKA氏の選曲もストーン・ローゼスからのブラー、ハッピー・マンデーズ、シャーラタンズと、やっぱりUKロック中心のセレクト。まるで実際のライブのように会場大盛りあがりでした。今でも昨日のことの様に思い出します。楽しかったなー。

もしかしてオレにもDJできるんじゃね?!

このとき大騒ぎしながら気づいたのが、DJって単に曲をつないでいくだけでもOKなんだということ。つまり機材を駆使したテクニックなんかがなくても、2台のプレーヤーとDJミキサーがあれば誰でもDJができるわけです。

もちろんDJ MAMEZUKA氏みたいなカッコいいプレイは、経験とスキルと圧倒的な音楽への知見が必要ですが、真似事だったら初心者にもできるはず。スポーツも楽器の演奏も最初は真似からっていうし、「おれにもDJできるんじゃね?」って思っちゃったんですよね。映画『ブルース・ブラザース』の、ジェイムズ・ブラウンの教会で雷に打たれるシーンみたくドカンとしびれたのです。

結局、夏フェス貧乏で機材を購入する余裕もなかったので、まずスマホにDJアプリ「djay」をダウンロードすることからはじめてみました。当時このアプリはストリーミングサービス「Spotify」と連携ができたので(※)、いろんな曲を使って遊べました。CDコレクションが無尽蔵にあるようなもんですから、それはもう縦横無尽にあれもこれもと。

※現在は連携サポート終了により、djayではSpotifyのストリーミング音源を利用できません。

  • djayアプリの画面

そうやって遊べたことは、自分にとって想像以上の学びになったと思います。曲順を変えることでの印象の違いや、次にかける曲との相性、テイストが近い曲をつなげていった後にこんな曲かけると世界観が変わるとか。徐々にDJの奥深さを知ってどんどん楽しくなっていったのです。

Spotifyでプレイリスト作ったり曲順入れ替えたり

いまもDJでかける曲順は、事前にSpotifyで30分とか60分とか持ち時間のプレイリストを作りながら考えています。曲順をあれこれ試してトライアンドエラーを繰り返しながら、自分なりの起承転結を作っていく作業が楽しいんですよ。

突然ですが、例えばあなたはストリート・スライダースのファンだとします。この前の復活ライブに感動した学生時代の友人から「今度、スライダースのファン集めて飲み会やるんだけど、会場に機材があるからDJやってよ」と頼まれたとします。そうしたらあなたは会場を盛り上げるための選曲を一生懸命考えますよね。あの武道館公演のセットリストを再現するのもいいし、麗蘭とかCHARAの「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」なんかを混ぜるのもありかもしれません(わたし蘭丸推しです♡)。どんな曲をどんな順番でかければみんな喜んでくれるのか、手持ちの音源と照らし合わせながら試行錯誤しますよね。

DJってこんな風に好きな音楽にどっぷり浸れるのです。人前でプレイする楽しさだけでなく、選曲を考える楽しさもDJの魅力なんですよ。

人前でDJやりたくてレンタルルームで飲み会開催!

一人DJも慣れてくると人前でプレイしたくなるのが人情ってもんです。とはいえ初心者がいきなりDJできる場所なんてそうありません。当時どうにかして人前でやってみたいと思い、頭をひねって思いついたのがレンタルルームの活用でした。

カラオケ機材常設で持ち込みの音響機材も接続できる場所をネットで見つけて、いつもの音楽仲間に声をかけました。「音楽好きの友達集めてDJパーリー!」って言うとキラキラな感じがしますが、実際のところは四十過ぎのおっさん達が好きな曲をかけながら飲むという、まさに質実剛健な飲み会♡

とはいえ、人前でプレイするのははじめてのDJデビューです。知った顔ばかりでしたがやっぱり緊張します。それでも酔いにまかせて選りすぐりの曲をプレイ! 持ち時間の1時間があっという間に過ぎていきました。楽しかったなー。

ちなみに、DJミキサーいじる姿ってやっぱりカッコいいなあって思い、当時iPhoneでも使えたUSB接続のDJコントローラー「Numark DJ2GO2」(現在は販売終了、現行品は「Numark DJ2GO2 TOUCH」)を購入。友人たちの前でこれみよがしに使ったのはいうまでもありません。あのときのDJ MAMEZUKA氏になりきってプレイしました。いえい。

  • djayアプリとUSB接続のDJコントローラーを接続したところ

まずはプレイリストづくりから始めてみてはいかが?

もちろんDJって色んなジャンルがあって、それぞれにスキルやテクニックが必要となります。機材もPC+DJコントローラーだったり、ターンテーブルやDJ用CDプレーヤー+DJミキサーの組み合わせだったりと多岐にわたります。その分ハードルを高く感じてしまいがちですが、趣味のDJに興味を持ったら、まずお使いのストリーミングサービスでプレイリストを作ることから始めてはいかがでしょう。

昔、好きな曲を集めてカセットテープとかMDに録音してた方も多いと思いますが、ようはアレと同じです。ドライブ用とかジョギング用とか、何かしらのテーマに沿って録音する曲を選んでいたと思いますが、DJもプレイするシチュエーションに沿ったテーマで選曲するので、やることの本質は同じ。

実際のところ、いきなりDJ機材を買おうとしてもいろんな種類があるし、それなりにコストもかかるし、まずは妄想DJのプレイリスト作りを試してみてください。もしお使いのストリーミングサービスがクロスフェード再生に対応していたら、曲と曲の間が途切れることなく再生してくれるので雰囲気もバッチリ! それだけでも充分楽しいですよー。

  • 音楽ストリーミングアプリに備わっている「クロスフェード再生」機能の一例

次回は、新しい音楽とのふれあい方を中心にお話しようと思います。またお付き合いいただけたら嬉しいです!狭間たかおでした!

今回紹介した楽曲プレイリスト

提供:Spotify