ドラム式の洗濯乾燥機は、衣類の洗濯から乾燥まで効率的にこなす家電。ただ近年は、電気代の高騰によって「毎回乾燥までさせるのは光熱費が不安」という人も多いようです。ドラム式洗濯乾燥機の中で、省エネ性能の高さが人気の理由のひとつになっているのはシャープの「プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機」です。

シャープは9月14日に、プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機の新モデル(3機種)を発売する予定。新モデルは自動お掃除機能が進化し、よりメンテナンスが手軽になっています。プレス向け新製品発表会で実機をチェックしてきたので、気になる特徴についてレポートします。

  • 新モデルはすべて洗濯容量11kg・乾燥容量6kg。価格はいずれもオープン。写真の左から、推定市場価格が366,000円前後のES-G11B、396,000円前後のES-V11B、そして426,000円前後の最上位モデル「ES-X11B」(リッチブラウンとクリスタルシルバーの2色)

最上位モデルは国内最高峰の省エネ性能

省エネ性能が魅力のプラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機、シャープが2022年モデルでの「ES-X11A」購入者にアンケートをとったところ、製品購入の決め手になった第1位が「業界最高水準の省エネ」、次点で「乾燥フィルターの自動お掃除」でした。新しいフラッグシップモデルの「ES-S11B」も、洗濯から乾燥までの消費電力量は約600Whにおさえています。

シャープによると、これは2023年8月現在において国内洗濯乾燥機としてはナンバーワンの省エネ性能だそうです。高い省エネ性能を実現している大きな理由は、7つの内蔵センサーを駆使した最適な運転制御。加えて、シャープならではの特徴がふたつあります。なかでも独特なのは「ハイブリッド乾燥NEXT」です。

  • 洗濯乾燥の消費電力が600Whの最上位モデル「ES-X11B」。新モデルで唯一「ハイブリッド乾燥NEXT」という乾燥方式を採用しています

  • シャープによる、2022年最上位モデル「ES-X11A」購入者のアンケート

「ハイブリッド乾燥NEXT」とは、ヒートポンプとヒーターを利用したシャープ独自の乾燥方式。ヒートポンプは他社を含めて高性能ドラム式洗濯乾燥機に搭載されている乾燥ユニットで、一般的なヒーター式より格段に消費電力が低くなります。ちなみに、ヒートポンプの仕組みはエアコンの除湿モードと同じ。このため乾燥時の温度は60度ほどと、そこまで高温にならず、衣類を傷めにくいというメリットもあります。

他方で、一般的なヒーター式と比較してヒートポンプは温度が急激に上昇しにくく、乾燥スタート後の立ち上がりが緩やかというデメリットも。そこでシャープの「ハイブリッド乾燥NEXT」は、乾燥時にサポートヒーターを併用する仕組み。ヒートポンプとあわせてヒーターで加熱を補助することによって、槽内の温度をすばやく上昇させます。

  • ヒートポンプ乾燥と、サポートヒーターを併用した「ハイブリッド乾燥NEXT」の比較。立ち上がりだけではなく、乾燥工程の終盤でもヒーターを利用し、効率的に衣類を除湿します

ヒートポンプ式の洗濯乾燥機は、一般的に衣類からの水分を結露させて排出し、同時に湿気を含んだ空気の一部を洗濯機の外へ排気します。しかし、ハイブリッド乾燥NEXTではあえて排気をしない「無排気乾燥」を採用。熱気を逃がさないことで、より省エネ性能を高めています。

実は湿気を含んだ空気を排出したほうが衣類の乾燥時間は短くなるのですが、これはハイブリッド乾燥NEXTが乾燥スピードよりも省エネ効率を重視しているから。それでも、標準の洗濯乾燥時間は155分と、各社のドラム式洗濯機と比較してもなかなかスピーディーです。

  • ES-X11Bのドラム槽内。無排気乾燥ということで、乾燥時に部屋の温度・湿度が上昇しにくい点も魅力のひとつ

高い省エネを実現したもうひとつの大きな要素は、「乾燥フィルターの自動お掃除」機能。通常、洗濯乾燥機は乾燥機能を利用するたびにフィルターを掃除する必要がありますが、ついつい面倒で掃除をさぼってしまうことも。しかし、フィルターにホコリが付いている状態だと乾燥効率が落ちて、ムダな電力を使うことにもなります。

そこでシャープは、乾燥が終わったあとに乾燥フィルターのホコリを自動で拭き取る機能を搭載しました。標準的な使い方なら、1カ月半くらいは乾燥フィルターを掃除する必要がありません。「乾燥フィルターがいつでもキレイ」であることは、乾燥時間が長くならずに消費電力のセーブにつながるのです。

  • 乾燥フィルターユニット。乾燥が終了すると車のワイパーのようにブレード(赤い矢印の先)が動き、フィルターに付着したホコリを端に寄せます

  • 糸くずフィルターは1~2週間に一度、手動のメンテナンスが必要。以前のモデルから「マンタのエラ」の形状からヒントを得たというネイチャーテクノロジーを採用しており、振るだけでゴミがサッと取れます

乾燥フィルターの自動お掃除機能は、2022年までは最上位モデルだけに搭載されていましたが、今回の新製品では最上位モデル以外のES-V11BとES-G11Bにも加わりました。この機能と7つのセンサーによる省エネ運転を組み合わせて、ES-V11BとES-G11Bは洗濯・乾燥の消費電力量が標準で880Whになりました。これは国内の洗濯容量11kg・乾燥容量6kgクラスの洗濯乾燥機としては、かなり上位の省エネ性能です(2023年8月現在、シャープ調べ)。

  • ES-V11B(写真右)とES-G11B(写真左)

自動お掃除機能でメンテナンスのしやすさも進化

「乾燥フィルターの自動お掃除」機能があることからもわかるように、プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機は清潔性にもこだわりがあります。新モデルでは、全シリーズ共通で洗濯時にドアパッキンの裏まで水が行きわたるようになりました。

これにより、ドアパッキン裏に溜まりやすいホコリを、次の洗濯運転時に自動的に洗い流せるようになっています。ドアパッキン裏の自動洗浄機能は、数年前から国産メーカーが次々と導入している機能でもあります。掃除を忘れてしまいやすい(そして掃除しにくい)場所だけに、ユーザーニーズが高い機能なのです。

  • 意外と掃除を見逃しやすいドアパッキン裏。ここにホコリが溜まりすぎると、水漏れなどの故障につながることも

  • 外側からは見えない場所ですが、ホコリが付着しやすい乾燥ダクトの自動洗浄機能も進化(ES-X11BとES-V11B)しました。洗浄用ノズルを改良し、従来はダクト内面の70.2%を洗浄していたものが、新モデルでは96.3%を洗浄できるようになっています

もちろんメンテナンスだけでなく、洗濯性能も進化しています。全モデル搭載の「高圧シャワーすすぎ」技術です。以前からシャープの洗濯機は、水道水を微細な水滴にして高圧で衣類に噴射する「マイクロ高圧シャワー」を備えていましたが、この水圧をさらに高め、さらにすすぎ時のドラム回転制御を調整することで「すすぎ」性能をアップしています。

  • ドラム入り口の斜め上部にある黒いパーツがマイクロ高圧シャワーユニットの噴射口。従来モデルと比べて、噴射角度を絞ることで噴射圧を高めています

  • 「高圧シャワーすすぎ」によって、衣類の洗剤残りをおさえられます

シャープのドラム式洗濯乾燥機は、もともと最上位モデルの高い省エネ性能が目立っていました。今回の新モデルでは、中堅モデルのES-V11BとES-G11Bも省エネ性能がアップしています。また、全モデルに乾燥フィルターの自動お掃除機能を搭載したことで、最上位モデル以外もメンテナンスがラクになっています。「最上位モデルほどの機能はいらないけど、省エネ性能と手軽さは重視したい」というユーザーは、ES-V11BとES-G11Bに注目してみてください。

一方でシリーズ全体を見渡すと、2022年モデルからそこまで大きな機能チェンジはありません。とはいえ、プラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機の高い省エネ性能は大きな魅力なので、電気代に敏感になりがちないま、ドラム式洗濯乾燥機の購入を検討しているなら一度はチェックしてほしい製品です。

  • 新モデルのラインナップとそれぞれの進化点一覧