ビットコインは3日、約28%という過去最大の採掘難易度(ディフィカルティ)軟化を記録した。これからマイニング活動が活性化し、ビットコインが強気に反転するのではないかという観測があるが、ある指標によると、ビットコイン価格が底を打つのは10月までかかるとの指摘が出ている。
投資マネジャーのティモシー・ピーターソン氏は、2日に連続ツイートし、ビットコイン価格とハッシュレートの関係から弱気トレンドが終わっていないことを主張した。
ビットコイン底値までの長い道のり
ビットコインの採掘難易度は3日にブロック高689472で-27.94%と史上最大の軟化となった。報じられているように、今回の下落はマイナーが中国から移転する動きによるハッシュレートの低下から生じたものだ。
採掘難易度はハッシュレートの変化に影響を与える。今回のように軟化するとマイナーにとってマイニングで利益を得やすくなる。
ただ、マイナーがマイニングを完全に再開するのは数ヶ月後になると想定される。その間にハッシュレートが上がってしまえば、採掘難易度は再び上昇する可能性が高い。難易度の上昇は同じ報酬を得るために、より多くの競争とパワーが必要となる。
ビットコイナーの間では「価格はハッシュレートに従う」と言われるが、もしこれが本当ならば、この現象をグラフ化したモデルでは、今後の下落基調は10月末まで続くことになるという。
ピーターソン氏も価格とハッシュレートの関係は、マクロ的な価格の天井を示すのに有用だと指摘。同氏が示すチャートを見ると、2013年と2017年に急騰している。これはビットコインの半減期サイクルの天井を示している。
5月の急落以降、ビットコインのハッシュレート比率(P/PH)は「1」に向けて下落を続けており、ビットコインが調整局面にあることを示している。
ピーターソン氏は「現在のハッシュレート比率のトレンドから、今回のバブルは10月31日に崩壊し、終わるだろう」と10月末を過ぎてから、本格的な上昇トレンドが起きると予想した。
「この比率には、ハッシュレートの上昇と価格の低下のあらゆる組み合わせが含まれる。そのため、ハッシュレートを上げて価格を安定させることもバブルを解消することになる」
言い換えれば、マイナーの復帰は、価格の下落を防ぐことができるが、価格の上昇については、まだ長期間待つ必要があるかもしれないということだ。
ただ、ピーターソン氏は、このシンプルなモデルは、「多くの問題がある」と指摘しており、同氏自身はこのモデルを使ってはいないという。
年末の価格が重要
今年後半にビットコイン価格が回復することを示唆するモデルは、ピーターソン氏が示した指標だけではない。
既報のように、アナリストは2021年の値動きは、過去にあった半減期サイクルと同様に、一旦は天井を迎えた後に下落し、そしてその後に本当の上昇トレンドがあると予想する。
ビットコイン価格は3ヶ月連続で陰線の月足を記録したが、ストック・フロー(S2F)モデルは2019年1月にも同様に下落を見せた後に回復したことを示している。
これから、モデル作成者のPlanB氏は「今後の6ヶ月が運命の分かれ道になる」と発言している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン