米国の有名ミュージシャンであるジェイ-Zと、ツイッターCEOのジャック・ドーシー氏は、彼らの音楽ストリーミングサービスであるTidalで、非代替性トークン(NFT)とスマートコントラクトを統合させる可能性に言及している。
6月28日にツイッターの「スペース」で開催されたカンファレンスで、ジェイ-Zとドーシー氏の2人は、スマートコントラクトやNFT、分析ツールなどを例として挙げ、Tidalのプラットフォームを活用してアーティストに力を与える機能を導入することの重要性を強調した。
Tidalはライバルであるほかの音楽ストリーミングサービスに遅れを取っている状況だ。2019年にアップルとスポティファイがそれぞれ28億ドルと74.4億ドルの収益を生み出している一方で、Tidalの収益は1億6600万ドルに過ぎなかった。
ジェイ-Zとドーシー氏は、ブロックチェーン技術を使ってアーティストをエンパワーさせることができれば、市場シェアを大きく奪うことができると考えている。
「私が本当に気付いたのは、アーティストが、商品やツアー、NFTなどの収益源を考慮し、彼らが何をしているかを理解し、意思決定をするのに必要な情報を取得する分析・データツールセットがいかに弱いかということだ」と、ドーシー氏は語った。
「私たちはすべての情報ツールをオープンにし、誰でも簡単に利用できるようにしたいと考えている。誰でもプラットフォームにアクセスすることができる」と、ドーシー氏は付け加えている。
ドーシー氏は、NFTなどの収益源を追加するなど、アーティストの「輝き」を助けることができるものなら何でも議論する余地があると述べている。
「NFTが表すものの精神、アーティストがどのように補償されているかを批判的にみる精神、そしてそれを証明する精神について、私たちは多くの時間を費やして、焦点を当てたい」
ジェイ-Zは、スマートコントラクトがアーティストの経済的自律性を高める能力について説明し、「あなたが参加したり、ほかの人を参加させたりできるクリエイティブな方法はたくさんある。それは記録され、非常に透明である。ファンシーな言葉や弁護士などの後ろに隠れることはない」と述べている。
「ブロックチェーンとスマートコントラクトを使用すれば、あなたが契約書を作成して、取引が発生した場合、10%もしくは30%を受け取りたいと書くことができる。または最初は50%、次に40%という風に書くこともできる」
ドーシー氏がCEOを務めている決済企業スクエアは、3月に3億ドルでTidalの過半数の所有権を取得した。
このTidalはもともと2015年にジェイ-Zによって5600万ドルで買収された。ビヨンセやカニエ・ウェストなどのアーティストの楽曲を先行配信することで知られていた。ジェイ-Zはスクエアの取締役を務め、Tidalの利害関係者であり続けている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン