著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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BTCとドルは逆相関を示す

TradingViewより作成

上図は、7月以降のBTC/USD(左軸、ドル)とドル指標(右軸)の日足チャートである。

ドル指標は、ユーロ・円・ポンド・スイスフランなど主要国通貨に対するドル相場を指数化したものであり、個別の一通貨の為替レートよりも正確に国際経済におけるドルの価値を示すことができる。

BTC/USDは8/15に一時25,000ドルを上抜けたものの、上値が重くその後下落が続き8/19未明から8/20にかけ約12%下落し、20,700ドル台で下値をつけた。

今回の下落に関して、特段明白な悪材料が出たようには見えないが、BTCと米ドルとの逆相関から下落要因が見えてくるかもしれない。

上述した通り、BTCが大幅下落している一方で、ドル指標は大幅に上昇しており逆相関の値動きを表している(図中点線枠)。

この一連のドル高の傾向は、ドル円が8/19に7月末以来の高値137円を突破したことからも分かりやすく見て取れるが、ドル指標も大幅に上昇していることから、円安によるドル高とは考えづらく、各国の通貨に対して、ドル買いの動きが高まったと考えられる。

この一連の動きが、25,000ドルを抜けきれず、上値付近で揉みあい状態だったBTCの下落に寄与した可能性もある。

ドル高の原因としては、7月末から目立っているFRB高官など米当局者複数によるタカ派発言が挙げられる(タカ派とは、金融引き締め政策に積極姿勢を示し、利上げによるインフレ抑制を狙うスタンスをとることをいう)。

これらの発言を受け、米10年債利回りの上昇とともに、全面的なドル買いの傾向が強まったと考えられる。

また、暗号資産関連のファンダメンタルズとしては、9月中旬にETHアップデート「The Merge」を控え、市場参加者の期待感が高まる一方で、トルネードキャッシュ(※)への制裁を皮切りとした暗号資産市場に対する規制強化の流れや、エネルギー危機から懸念されるPoW(Proof of Work)を採用する暗号資産の環境問題など好材料は依然として多くなく、方向感を探る米国株式市場や世界動向に左右される相場が続くだろう。
※トレネードキャッシュとは…マネーロンダリングに使用される恐れがある、クリプトの匿名化サービスのこと。

目先では8月末にジャクソンホール会議が控えており、FRBのパウエル議長の発言に注目が集まっている。

同会議はFRB議長、地区連銀総裁、世界各国の中央銀行首脳が集まり、世界経済や金融施策について議論を交わす重要なイベントである。この会議にてパウエル議長がタカ派の姿勢をとることがあれば、さらなる米金利の上昇、ドル高につながる可能性が高く、BTC相場もさらなる下落を迎えることを視野に入れる必要があるだろう。

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