著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(15日〜21日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比292,956円(9.05%)安の2,952,468円と反落し、節目の300万円を割り込んだ。対ドルでは、週足終値が200週移動平均線を4週間ぶりに下抜けた。

中国人民銀行の想定外の利下げに反応し、330万円台回復から始まった先週のBTC対円相場だったが、その後は三段安を演じ、上値の重い展開が続いた。特に週後半にかけては、市場が米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利引き上げペースを見極めようとする中、セントルイス連銀のブラード総裁が9月に3度目の75ベーシスポイント(bp)利上げ支持を表明すると、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁やカンザスシティ連銀のジョージ総裁からもタカ派的な発言が相次いだ。これを受け、BTCは320万円周辺から安値を広げる展開となり、19日には1.6億ドル(≒220億円)相当のロングポジションが清算され、相場は300万円を割り込んだ。

同日には米株市場もFRBの動きを警戒して下落し、BTCは連れ安で290万円も割り込んだが、週末にはハッシュレートが急上昇し、ハッシュリボンの買いシグナルが7月上旬ぶりに点灯した(ハッシュレートの30日平均と60日平均を駆使した売買シグナルで、30日平均が60日平均でゴールデンクロスに成功すると買いシグナルとなる)。すると相場は280万円台後半で反転し、小さくダブルボトムを打って300万円台回復を試した。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成
 

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