米連邦預金保険公社(FDIC)は、5日に破産したボイジャーデジタルが主張する顧客預金口座の保護に関して調査している。同社の顧客口座がFDICによって保護されているというボイジャーの主張していることが問題になっている。ウォール・ストリート・ジャーナルが7日に報じた。
ボイジャーデジタルは、融資先のシンガポールのヘッジファンド、スリーアローズキャピタル(3AC)が債務不履行の影響で、最大100億ドルの負債を抱え、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法第11条を申請した。ボイジャーは3ACに約6億5千万ドル分の仮想通貨を貸していた。
ボイジャーデジタルのウェブサイトには、「お客様の米ドルは、FDIC保険に加入している当社の銀行パートナー、メトロポリタン・コマーシャルバンクが保有しており、ボイジャーで保有している現金は保護されている」と記載している。FDICは、米国の銀行の安定性を監督する連邦規制機関であり、銀行が破綻した場合に顧客が資金を失うことを防ぐため、1口座あたり25万ドルまで保険をかけている。
しかし、この保険は銀行に関するもので、取引先を保護するものではない。実際にメトロポリタン・コマーシャルバンクも、FDICはボイジャーデジタルの破綻や仮想通貨の損失に対する保護を提供するものではないという声明を発表した。これはボイジャーのウェブサイトに掲載されている顧客資産の保護と食い違っている。
Statement from Metropolitan Commercial Bank about #FDIC insurance for #Voyager customers. Bad news, I’m afraid. pic.twitter.com/3PMVYNZkQw
— Frances Schadenfreude Cassandra (@Frances_Coppola) July 2, 2022
ボイジャーデジタルは再建計画案で、様々な不測の事態を前提として、「口座に仮想通貨を保有する顧客は、口座内の仮想通貨、3ACからの回収による収益、新たに更生する会社の普通株式、ボイジャートークンの組み合わせを受け取る」ことになると述べている。
Two most interesting things in the Voyager bankruptcy petition:
(1) Voyager’s second largest exposure is to Alameda Research. So there’s some recycled capital. Voyager loans Alameda $377M, & Alameda reloans Voyager $75M. Plus Alameda is Voyager’s largest shareholder (9.5%). 1/
— Adam Levitin (@AdamLevitin) July 6, 2022