ビットコイン(BTC)のエネルギー消費量、効率性、スケーラビリティに関する新しい数値は、世界最大の仮想通貨に新たな光を当てると同時に、銀行セクターの問題を露わにしている。

ITエンジニア・コンサルタントであるマイケル・カザカ氏が発表した調査レポートでは、ビットコインの決済はレガシーな金融システムよりも「効率的」であると主張している。さらに、銀行セクターは「ビットコインの56倍ものエネルギーを使っている」という。

このレポートは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のエネルギー消費を推定するための新しい計算方法を提案している。インタビューに応じたカザカ氏はコインテレグラフにこ次のように語っている。

「ビットコインライトニング、そしてビットコイン全般は、本当に素晴らしく、非常に効率的な技術的ソリューションであり、大規模に採用されるにふさわしいものだ。この発明は、大量採用されるに十分な素晴らしさと効率性、そしてパワーを備えている」

2021年後半に決済コンサルタント会社Valuechainを設立したカザカ氏は、ケンブリッジ・ビットコイン電力消費指数(CBECI)が提供するエネルギー推定値に代わるものを提案している。コインテレグラフでもしばしば引用するこの指標は、ビットコインが年間122TW/H(テラワット時)消費すると推定している。

ビットコインのマイニングマシンの平均寿命と、新しいIT材料が作られる速度を考慮すると、カザカ氏はビットコインの年間消費量は88.95TWhと、ケンブリッジ大学の試算よりかなり少ないと指摘する。

Graph to show total count of mining units over time over 160 months. Source: Khazzaka report

決済専門家であるカザカ氏は、2つの通貨システムを効果的に比較するために銀行セクターにも目を光らせている。カザカ氏は「銀行セクターのあらゆる側面を本当に過小評価している」と述べている。

カザカ氏によれば、マネーの生成やその輸送、銀行インフラのエネルギー消費などを考慮すると、銀行セクターでの電力消費は毎年4981TWhという数字が導き出されるとう。つまり、銀行はビットコインの56倍ものエネルギーを消費していることになる。

このレポートでは、取引効率を調査し、「現在のブロックサイズで、ブロックが最大容量まで埋まっている場合、 エネルギー効率が従来のシステムより5.7倍優れている」と指摘している。ただし、これはライトニングネットワークを考慮しない場合だ。インタビューの中でカザカ氏は次のように説明している。

「ライトニングは、ビットコインプロトコルがより多くのエネルギーを消費することなく、より多くの取引を行うことを可能にする。これは魔法だ」

カザカ氏はこのレポートを通して、「銀行・決済業界はブロックチェーンを採用する必要があり、もしかしたらそれはビットコインも採用することかもしれない」と主張したいという。カザカ氏の結論は、ビットコインは実際に銀行業に利益をもたらすことができると考えている。

「彼らが勇気を持ってブロックチェーン技術を導入すれば、その効率とスケーラビリティが向上する」