ロジクールは、オフィス家具メーカーなどとの協業を通じて、オフィス内外を問わない革新的な働き方の実現を目指す新たなパートナープログラム「ロジクール ONE “with Office”」を12月8日に発表しました。

企業の需要に応じた新しいオフィス空間を、パートナー企業とともに提案する取り組みで、ロジクールのオンライン会議関連製品とパートナーのオフィス家具などを、ユーザー企業に向けて各社共同で提案します。12月8日時点での参画企業は、イトーキ、ハーマンミラージャパン、ソーシャルインテリア、野村総合研究所、ワークプレイス ソリューションズ、日本スチールケースの6社。

今後、オフィス家具メーカー、オフィスデザイン業界、デベロッパー、コンサルティング会社など他業界との提携を拡大を図り、3年後の展望としてパートナーを30社まで拡大、ロジクールの法人向け事業の売上を現状から50億円上積みし、業界のリーディングカンパニーを目指すとしています。

  • 左から、ハーマンミラージャパン Contract Senior Sales Managerの並木小百合氏、ロジクール 代表取締役社長の笠原健司氏、イトーキ 常務執行役員 スマートオフィス商品開発本部本部長の長尾和芳氏、ソーシャルインテリア 取締役 COOの有田崇氏

  • ロジクール ONE “with Office”が目指すのは、「オフィス内外の快適なコミュニケーション」と、「コミュニケーション活性化のためのウェルビーイング」

ロジクールは、スイスに本社・開発拠点を構えるLogitech Internationalの日本法人。Logitechではコロナ禍を経た現在、働き方の大きな変化が訪れたことに注目しています。

今回の「ロジクール ONE “with Office”」は日本独自のパートナープログラムで、オンライン会議に必要なビデオコラボレーション製品(会議用カメラ、スピーカー、会議室コントローラーなど)を軸に、パートナーと共同で商品の提案、導入支援、セミナー開催や導入事例の制作など、営業・マーケティング活動を実施。オフィス内外を問わず“快適な”コミュニケーションの活性化につなげたいといいます。

  • 現在では会社のオフィスだけでなく、自宅や外出先のカフェ、ワーキングスペースなど、さまざまな場所が仕事をするスペースになり得る

Logitechでは、毎朝9時に会社へ行って夜まで働くような働き方だけでなく、テレワークや在宅勤務、ホテルやカフェなどでも働く環境が生まれている状況で、新しいオフィス需要に応じた働き方に役立つビデオコラボレーション製品の拡充を、グローバルで「THE NEW LOGIC OF WORK」として取り組んでいます。

ロジクール代表取締役社長の笠原健司氏は、ビデオコラボレーションツールを通じて顔が見えるコミュニケーションを取るメリットについて、「楽しそうな表情、輝いている目、口の動かし方など(相手の様子から得られる情報が)いろいろある。非言語的なコミュニケーションを自然に理解しあうことで、一体感や信頼感のあるコミュニケーションが実現する」と説明しました。

  • ロジクール代表取締役社長の笠原健司氏

  • ロジクール ONE “with Office”のパートナーシップは、新しいオフィス空間の目的に賛同した企業が参画しているという。オフィス家具やオフィスビルのデベロッパー、IT・人材コンサルティングなど、幅広い業種を想定している

参画パートナー各社はロジクールとの協業にどんなことを期待しているのでしょうか。発表会で登壇したハーマンミラージャパン Contract Senior Sales Managerの並木小百合氏は、スイスに開発拠点を置くLogitech製品のデザイン性を評価し、「日本のオフィス家具業界でもっとデザインに重きを置いていきたい」とコメント。

イトーキとロジクールは共同での製品開発も予定しています。イトーキ常務執行役員 スマートオフィス商品開発本部本部長の長尾和芳氏は、(オフィス関連製品の)機能の進化、そしてオフィス空間をどう構築していくか、という商品開発面と、異なる顧客基盤を持つ会社同士が組み合わさることにより認知が広がるといった、マーケティング面の協業効果を期待していると話しました。

オフィス家具レンタル事業などを手がけるソーシャルインテリア取締役COOの有田崇氏は、オフィス家具や什器とITデバイスを1つの提案にできていない課題があるといいます。これに対し、オフィス向けIT製品を持つロジクールからの声掛けがありがたかったとのこと。今後はパッケージで提案できる点に期待していると語ります。

具体的にどんなオフィス空間・製品を提案していくのか、発表会ではいくつかのモデルスペースが用意されていました。一例を紹介します。

  • 個人向けワークスペースの例。個人向けにも展開しているロジクールのWebカメラやキーボード、マウス、ヘッドセットなどが並ぶ

  • 手元をアップで写せるWebカメラ「BRIO 505」は、資料や手書きメモなどを共有する際に便利

  • 中型~大型会議室向け一体型ビデオ会議システム「Rally Bar」が設置された会議スペースの例

  • 画面の下に設置されたRally Bar。参加者の人数を把握するAIビューファインダーや光学ズーム機能、複数の話者を個別にフレーミングしたり、強調表示したりする機能などがある

  • 卓上の視点で参加者を映せる会議用カメラ、ビデオ会議サービスに対応したコントローラーなどと組み合わせても使える

  • ホワイトボードを共有できる会議スペースの例

  • ビデオ会議用のホワイトボード「SCRIBE」。板面に書いた内容をリアルタイムで、Microsoft TeamsやZoom、Google Meetなどの主要ビデオ会議サービスで共有できる

  • イトーキの会議テーブル「Panora」。半円型のデザインで、ビデオ会議サービスを使ったハイブリッド会議でも、画面と向いあわせると自然と対面のような打ち合わせができる

  • 少人数・短時間利用向けの「ハドルルーム」の例。「ハドル」の由来はアメリカンフットボールで試合中に行われる短時間の作戦会議から

  • 小規模スペース向け一体型ビデオバー「Rally Bar Huddle」と会議室コントローラー「Tap IP」の組み合わせで、PCレスで主要ビデオ会議サービスに参加できる