東芝映像ソリューションあらためTVS REGZA株式会社が、4K液晶テレビの新モデル REGZA Z570K を発表しました。サイズは65 / 55 / 50 / 43インチ。
4K 120P入力やVRR(可変リフレッシュレート)など、PS5 や Xbox Series X|S に求められる最新のゲーミング仕様を満たしつつ(※)、最小の43Z570Kでは想定価格 約12万円からと高いコストパフォーマンスが注目の製品です。(※秋のアップデートで対応)
レグザのラインナップは良く言えば柔軟にアジャイルに、映像処理プラットフォームやディスプレイパネル、筐体の組み合わせでプレミアムからバリューまで多機種を展開していますが、Z570K は全面直下LEDバックライトなど4K液晶レグザのなかでも高画質・高性能なZシリーズのうち、シンプルでコストパフォーマンスが高いモデルです。
新世代レグザとして中身は Android TVを採用。定評あるレグザの録画機能やおすすめ番組なども刷新されたインターフェースを搭載します。映像エンジンもAndroid TV用のプラットフォームで動く「レグザエンジン ZR I」になりました。
4K120P入力やVRR(可変リフレッシュレート)対応
最新世代のゲーム機PS5 や Xbox Series X|Sのフル機能を活かすゲーミング用途で重要なのはHDMI 2.1規格、4K120P入力やVRR (可変リフレッシュレート)などに対応すること。
(PS5は今後のアップデートでVRR対応予定)。
4K 120Hz入力やVRRは最新世代ゲーム機の映像面の目玉ともいえる進化点ですが、PS5 / Xbox Series X|Sが発売された2020年冬の段階では国内大手メーカーの最新4Kテレビでも対応しておらず、実質的にLGの4K有機ELテレビしか選択肢がない状態でした。次世代ゲーム機を手に入れると誰も彼もLG CXあたりを買っていたのはこれが理由です。
このZ570Kは、有機ELレグザの新モデル X8900Kと同じく2021年秋の更新で対応予定。要は最新ゲーム機に欲しい最新HDMI 2.1規格に対応したゲーミング仕様かつ高コストパフォーマンスということ。
43インチの省スペースモデルも
4K 120Hz入力とVRRを押さえつつコスパを求めるのであれば、昨年モデルのLG有機ELも有力な選択肢ですが、LGの有機ELテレビはいまのところ48インチが最小。パーソナルなサイズが欲しくてもパネルを作るLG自体が出しておらず、供給を受ける国内各社にもありません。
(今年1月のCES 2021ではLGが42インチ有機ELパネルを発表して期待を集めましたが、LGの2021年ラインナップでもまだ採用されていません。)
LG Display がテレビ用42インチOLEDパネルを発表。PS5 / Xbox Series Xゲーマーに朗報
液晶ならばサイズバリエーションがあるため、最新 HDMI 2.1規格に対応で小さなサイズを求めるならZ570Kは有力です。
レグザ伝統の高画質化・録画機能も
プラットフォームが変わり映像エンジンも変わりましたが、レグザの高画質化機能は健在。人肌を検出して階調やカラーシフトを補正し自然で美しい肌にする「ナチュラル美肌トーン」、MPEG2の地デジを高画質化する「地デジAIビューティー」、クラウド側のデータベースに問い合わせ、番組ジャンルや中身によってパラメータを最適化する「クラウドAI高画質化テクノロジー」、ネット動画を最適に高画質化する「ネット動画ビューティー ZR I」等々。
音は伝統の「重低音バズーカ」含む計40W出力マルチアンプでDolby Atmos対応、定位をスピーカー位置から画面に持ち上げ映像から音が聴こえるようにする音像補正など。
無線では気軽なヘッドホン等に使う Bluetoothと、低遅延・広帯域で最大11台まで接続できサラウンドが構築できるワイヤレススピーカーの最新規格 WiSAにも対応します。
ゲーム志向で選ぶと、高画質化系の機能はどうせゲーム時には使わないからと優先度が低くなりがちですが、4K配信やUHD BDなど高画質なソースが当たり前になったいま、すでに時代遅れな解像度と圧縮方式の地デジや、低画素数・低フレームレートが多く、圧縮の癖も様々なネット動画を大きな画面で、せっかくの4Kテレビが活きる画質に近づける高画質化機能はむしろありがたみが増しているともいえます。
録画はBS / 地デジ3チューナー、BS4Kダブルチューナー。好きなジャンルやタレントを選ぶと関連の録画番組・放送中番組・未来番組を一覧しておまかせ録画もできる「みるコレ パック」もちゃんと使えます。
アニメ系を始め、その道の蘊奥を極めた有識者が手でキュレーションした異様に細かいパックを選ぶことで、バーチャル「今期は何を観とけばいいの?」ができるのもレグザの楽しみ。
レグザは使い勝手が変わると困る録画志向ユーザーが多かったためか、古色蒼然としたテキストベースの録画リストを永遠に使っていましたが、最新世代のレグザでは録画リストやシーン/出演者リスト、番組ガイドといったユーザーインターフェースを大きなサムネイルで見やすく刷新しています。
見る番組が決まっていないとき、おまかせを含む録画済み番組から提案する「おすすめ番組」、ジャンルやカテゴリをリモコンでブラウズできる「ざんまいスマートアクセス」、番組情報サービスと連携して番組内容の「目次」から目当ての場面やコーナーや出演者だけ選んで見られる「シーン/出演者リスト」など、大量のテレビコンテンツをネット動画のように自堕落に楽しめる機能も充実。
放送後しばらくすると提供される「シーン/出演者リスト」は推しのタレントを追うにも便利ですが、放送テレビの強みであるリアルタイム性の高いコンテンツ、たとえば時事ニュースの特定の話題だけ横断的に観たり、情報番組のなかの特定コーナーで扱われたシーンを見逃さないなど、情報収集の道具として効率的にテレビを使いたい場合にも便利です。
REGZA Z570Kの発売は65インチと55インチが9月17日、50インチが10月上旬、43インチは10月下旬予定。想定価格は43インチ約12万円から。
最新世代ゲーム機の120Hz対応タイトルは、これまでのところ応答速度を重視する競技的な対戦FPSが多いことから、ゲーマーでも自分にはそこまで必要ない、対戦シューターはそんなにやらないし差が分からないと優先度を下げる考え方もあります。
しかし最近のタイトルでは、レイトレーシングなど次世代グラフィックを活用したPS5『ラチェット&クランク』最新作が120Hzテレビでだけ使える最高グラフィック設定40fpsモードを追加したり、Xbox Series X|Sのマイクロソフト フライトシミュレーターはVRR対応テレビならば描画負荷に応じて可変の~60fps、非対応テレビでは30fps制限など、反応速度が命のゲームに限らず、最新世代機の高性能をフルに堪能するには必要な機能になりつつあります。