2018年秋リリース予定のWindows 10 RS5(開発コード名)に実装されるか不明だが、Windows 10 Insider Previewでは、興味深い変化を確認できる。その1つがUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)版のエクスプローラーだ。
海外のMicrosoftを追いかけるニュースサイトの「Windows Central」が報じた記事によれば、UWP版エクスプローラーの開発が進んでいるという。
Windows 10 バージョン1703から加わったUWP版エクスプローラーだが、「ドラッグ&ドロップのサポート」「コンテキストメニューのサポート」「コピー&ペーストの改善」「新たなカットオプション」「背景画像の指定」「ボタンを上部に配置」といった変更が加わったとしている。
筆者の手元にあるWindows 10 Insider Preview ビルド17744、および同ビルド18219で確認した限りでは、上図で示した以前のUWP版エクスプローラーと同じく、記事にあるようなアプリは起動しなかった。MicrosoftがA/Bテストを実施し、UWP版エクスプローラーを更新しない環境も含まれているのだろうか。
記事を投稿したZac Bowden氏は、UWP版エクスプローラーがデスクトップアプリ版エクスプローラーを代替する存在ではなく、「私のソースによればMicrosoftは、Surface Hub 2やHoloLens 2、Andromeda、さらにPolaris PCといったWCOS(Windows Core OS)を搭載するデバイスで、汎用エクスプローラーを使用する予定だ」と指摘する。
一方で、今後Snipping Toolなど古いデスクトップアプリが廃止される傾向を踏まえて、「Windowsのモダン化は始まったばかり」と、UWPアプリがデスクトップアプリを代替する可能性を否定していない。
話は少々脱線するが、最近筆者は古いSurfaceにSurface Pro Signatureタイプカバーを追加せず、タブレットとしてそのまま使用している。主な利用目的は電子書籍の読書や、執筆した記事の推敲環境だ。
当初はiPadを使おうと思っていたが、いつの間にか娘のモノになっていたらしい。Surfaceペンとともに推敲環境に用いたところ思いのほか使いやすく、ようやくレーザープリンターをお払い箱にできそうである。その際に感じるのが、タッチ環境におけるデスクトップ版エクスプローラーの使い勝手だ。
タッチ環境の場合、コンテキストメニューは操作しやすく行間を広く取る仕組みだが、誤動作なのか通常のコンテキストメニューが現れる現象にしばしば出くわす。
キーボードやマウス操作におけるデスクトップ版エクスプローラーは、使い慣れていることもあって不便を感じることは希だが、無理矢理タッチ環境に適合させた感は否めず、抜本的な改革が必要だ。だからこそ、UWP版エクスプローラーに大きな期待を持っている。
MicrosoftはデスクトップのIM環境として、WindowsメッセンジャーをSkypeへ、そしてUWP版Skypeと置き換え、ペイントは3Dペイントで代替した。2018年や2019年など短期的なスパンではないものの、いつかエクスプローラーもマルチデバイス環境で同じUXを得られるようになるだろう。ただ、その日が訪れるのが先か、PC環境というスタイルがなくなるのが先か、それは分からない。
阿久津良和(Cactus)