在宅率100%のテレワークから、出社とテレワークを上手に使い分けるハイブリッドワークへとシフトしつつある最近の働き方。
働き方の変化とともにビジネス用のノートPCに必要な要件も変化していて、最近ではセキュリティ性が高いだけでなく、オフィス・自宅を問わず快適に作業ができるようなスペックも求められつつあります。ここ数年のテレワークで自宅の作業環境を整えた方も多く、それらの環境を最大限活かせるようにしたいというニーズがあるわけですね。
しかし、そういったニーズとは裏腹に、企業ではハイブリッドワークに最適化されたノートPCが使われているとは言いがたい現実もあります。筆者の周りでも「社給PCだと自宅の環境に満足に接続できない」「ここ数年で必要なスペックが大きく変わり、社給PCの選定に困る」といった声を聞きます。
そんな中Dellから登場したノートパソコン『Latitude 7340 Ultralight』は、ビジネスシーンで欠かせないセキュリティ面もしっかり確保しつつ高スペック・軽量薄型を兼ね備えた、これからの時代に最適なノートPCに仕上がっています。
今回2週間ほど試用機をお借りしビジネスシーンで試すことができたので、実際の使用感などについても触れながら印象をお届けしたいと思います。
薄型・軽量で取り回しやすい高スペックなノートPC
Latitude 7340 UltralightはDellのビジネス用ノートPCの中でも最小・最軽量のシリーズで、13~14インチディスプレイを搭載したコンパクトな本体に最新の第13世代Intel Coreプロセッサを搭載していることが特徴のモデル。
外観はいかにもビジネス用のノートPCといったようなシンプルなデザインで、試用機の「ダークブルー」カラーは派手すぎず落ち着いた配色。表面がマット加工されているわけではないので指紋が少し目立つこともありますが、オフィスで使っていてパソコンが悪目立ちするようなことはなさそうです。
筐体は軽量マグネシウム製シャーシを採用していて、軽量かつ剛性感のあるボディを実現。耐衝撃性に重きを置いたノートPCほどではありませんが、壊れるリスクが低減されるのは嬉しいポイント。
ディスプレイの上部には標準で500万画素の顔認証IRカメラを搭載。もちろんWindows Helloによる顔認証サインインに対応したもので、センサーを物理的に閉鎖できる手動シャッターも用意されています。
興味深いのが、プリインストールされているアプリ『Dell Optimizer』を使うことで覗き見を検知すると画面にモザイクをかける「Onlooker Detection」や、ユーザーの画面注視を検知してプライバシー保護とバッテリー持続時間を増加させる「Look Away Detect」といった独自機能が利用できるところ。ビジネス用のPCとして必要な高いレベルのセキュリティきちんと確保しているのは、導入する側の企業ポジティブに評価されるはずです。
キーボードは購入時にカスタマイズでき、日本語配列・英語配列でそれぞれバックライトバックライトあり・なしの計4パターンから選択可能。今回は日本語配列を試用しましたが、コンパクトなノートPCにありがちな「英語配列を無理やり日本語配列にした」ようなキーボードではなく快適に操作が行えました。
少しだけ気になったところといえば、キーボードの左右にスピーカーグリルを搭載していることで右側の一部キーが若干窮屈になっているところと、矢印キーの配置が逆T字になっていないところの2つ。
矢印キーの配置は人によっては問題ないと思いますが、英語配列では全てのキーがフルサイズで装備されているだけに、日本語配列を使う方にとっては少しだけ使いにくく感じてしまうかもしれません。
ディスプレイは見やすいアンチグレア仕様。タッチ対応モデルも選べる
今回お借りしたモデルは13.3インチ・解像度1,920×1,200ピクセルのディスプレイを搭載しています。アスペクト比は16:10で、一般的な16:9サイズのディスプレイよりも若干縦方向にピクセル数が多いため、作業領域・表示領域を広く取りやすくなっています。
このほか、メーカー側のオプションで解像度2,560×1,600ピクセルでタッチ操作にも対応したディスプレイを選択可能で、ユースケースに応じた選択肢を選べるのは嬉しいところ。個人的には、ディスプレイ表面にアンチグレア(非光沢)処理が施されていて、蛍光灯・自然光の映り込みが気にならないのも高評価でした。
ポート類は最小限ながら必要十分
インタフェース類としては、左側面にHDMI 2.0ポート、Thunderbolt 4.0×2を、右側面にオーディオ ジャック ポート、USB 3.2 Gen 1 Type-Aポートを備えています。ノートPCに接続するケーブル類の中でも太くなりがちなHDMIポートは本体左側に装備されているので、外部マウスを使う人でも干渉しにくそう。
Thunderbolt 4端子はDisplayPort Alternate Modeによる映像出力とUSB PDによる電源入力にも対応しているため、HDMIポートとうまく組み合わせることで複数の外部モニターへの映像出力も可能です。
またワイヤレス通信はWi-Fi 6E対応無線LANとBluetooth 5.3に対応していて、別途オプションで4G・5Gに対応したWWAN(モバイル通信)モジュールも追加できます。
薄さは最薄部が16.67mm、最厚部でも17.60mmと比較的薄く、重量も公称980gと13インチクラスのノートPCとしては軽い部類です。この薄さ・軽さ・大きさであれば、日常的にノートPCを持ち歩く必要のあるユーザーでもかなり扱いやすいのではないかと感じます。
筆者も何度かバックパックに入れて持ち運ぶ機会がありましたが、背負ってみると数値以上に1kg以下という軽さを実感しました。
プロセッサは第13世代Intel Core“U”シリーズを搭載
外観・ポート類を紹介したところで、簡単にスペックについても触れておきましょう。
今回お借りした試用機はモバイル向けの第13世代Intel Core i5-1345U(Pコア2個、Eコア8個の計10コア12スレッド)を搭載していて、メモリーはLPDDR5 16GBの組み合わせ。性能有線のPコアが2コアとやや少ないですが、そのぶん電力効率優先のEコアを8コア搭載しているため、ビジネスシーンにおいて不満を感じることは稀でしょう。
実際の業務やプライベートのシーンで2週間ほどLatitude 7340 Ultralightを使い込みましたが、スペック・使い勝手の面で困ったところは何一つありませんでした。4K解像度の外部ディスプレイに接続してもスペック不足を感じることがなかったため、多くの人はこのマシンで十分快適に使うことができそうです。
唯一バッテリーの持続時間が公式では非公表のため懸念事項でしたが、実際のところはWebブラウジング・執筆・Officeファイルの編集など一般的な作業を行う場合、業務時間はACアダプターに接続しなくても問題ないだろうなと感じるレベル。
Thunderbolt 4端子を介したUSB PowerDeliveryによる充電にも対応しているため、45〜65Wの高出力モバイルバッテリーがあれば泊まりがけの出張でもACアダプター要らずかもしれません。
もちろん、これまで触れたように「Onlooker Detection」や「Look Away Detect」といった高セキュリティ機能も頼り甲斐抜群で、ビジネスシーンでも安心して使うことのできる一台でしょう。