富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)は1月24日、2023年春モデルのノートPC新製品発表会を開催。コンセプトに「世界最軽量」を掲げるUHシリーズや、2022年12月に発売した学生向けのCHシリーズを中心に展示しており、今どきの若者がカジュアルに持ち歩けるイメージを表現したものとなっていました。
14.0型でも世界最軽量。UHシリーズの画面が大きくなった!
FCCLの大隈健史社長は「オンラインでの仕事や授業が普通になっていく中、オンラインならではの苦労も顕在化してきています」と述べ、新しいニーズに応える製品が求められていることを指摘。PC業界において常にトップシェアを争うポジションを維持してきたFMVの、いつでもどこでもを実現するこだわりのラインナップを披露しました。
会場ではFMVをカジュアルに持ち運んで使うファッションをイラストでイメージ。新発売のLIFEBOOK UH90/H1とLIFEBOOK CH90/G3のほか、発売中のLIFEBOOK CH90/G3とLOOX 90/Gの展示もありました。イラストレーターのニシイズミユカさんが描いています。
大きく変わったのはUHシリーズで、画面サイズを13.3型から14.0型へ。アスペクト比を16:9から16:10へと変更しています。この変更によって、本体サイズは前モデルの「UH-X/G2」や「UH90/G2」と比べ、幅は16.8mm、奥行きは19.0mm、高さは4.4mm大きくなり、重さはUH-Xの場合で55g重くなりました。とはいえ、表示面積が17%拡大しながら、重さを9%の上昇に抑えているのは、相変わらず驚異的としか言いようがありません。
フットプリントも世界最小クラス。新幹線の座席や学校の机といった狭いスペースも有効に活用できます。
ちなみに、従来モデル「UH-X/G2」の本体サイズはW307×D197×H15.5mmで重さは634g、新モデルのUH-X/H1はW323.8×D216×H19.9mm・689g。UH-X/H1は14.0型クラスとして世界最軽量を達成しているとのこと(FCCL調べ)。製品企画を担当した松本景子氏は「開発時に0.1グラムの軽量化アイデアを積み重ねています」と語りました。
軽量モデルのUH-X/H1は、本体カラーはピクトブラックの1色のみ。高性能&長時間駆動モデルのUH90/H1は、これまでと同じピクトブラックとシルバーホワイトに、新色のフロストグレーを加えた3色展開です。なお、UH/90/H1はバッテリ容量が大きいため、本体の重さはピクトブラックが約848g、シルバーホワイトとフロストグレーは約858gとなっています(それでも十分に軽いですが)。
新しい生活習慣が根付きつつあるいま、パソコンは主張しすぎないノイズレスなモノトーンのほうが好まれやすく、どこにでも持ち運んで人目を気にせず作業できることが理想とされてきています。キーボード表面の印字も最近の若者に「かな入力」ユーザーが激減していることを受け、かな表記を廃止してシンプルにしています。
店頭予想価格は、軽量性を最重視するUH-Xと、デュアルファン採用で基本性能やバッテリ駆動時間で優れるUH90/H1の両方とも、同じ240,000円弱となっています。これはあえて同じになるようパーツを選定した結果なのだそう。UH-XとUH90/H1を「ユーザーにできるだけ価格で選ぶのではなく利用目的で選んで欲しい」ためなのです。ただ、価格はメーカーではなく販売店が決定するものなので、販売戦略などの理由から実際の販売価格が異なる場合もあります。店頭では注意してください。
ゲストで参加したTikTokクリエイターで現役の学生でもある修一朗氏は、新しいUH-Xを実際に利用してTikTokの編集を体験。スマートフォンではできなかった映像の作り方や表現に取り組めるとのこと。今までとは違った視聴者にもアピールする武器になりそうだと話していました。
軽量モデルのUH-Xは、CPUがIntel Core i7-1355U、メモリがLPDDR5-6400 16GB(最大16GB)、ストレージがPCIe Gen4 SSD 512GB、グラフィックスがIntel Iris X Graphics(CPU内蔵)、OSがWindows 11 Pro 64bit。
高性能&長時間駆動モデルのUH90/H1は、CPUがIntel Core i7-1360P、メモリがLPDDR5-6400 16GB(最大16GB)、ストレージがPCIe Gen4 SSD 512GB、グラフィックスがIntel Iris X Graphics(CPU内蔵)、OSがWindows 11 Pro 64bit。キーボードはLEDバックライトを備えています(UH-X/H1はなし)。
Z世代の学生が重視するニーズを取り込んだ新生CHシリーズ
一方、Z世代の学生向けに仕様を変更したCHシリーズの最新モデルは、2022年12月に発売した「CH90/G3」です。デザイン性を追求しており、2021年モデルの「CH90/WC1」では画面サイズが13.3型でアスペクト比16:9だったものを、CH90/G3では13.3型のままアスペクト比を16:10にし、表示面積を5%拡大して、フットプリントは2%小さくしました。大画面化しながらコンパクト化に成功したことになります。
CHシリーズは以前から学生向けでしたが、学生といってもいろいろなユーザーがいるため、Z世代の情報発信や情報収集に積極的な層にセグメントを切り直しています。
例えば、通学時の混雑した電車の中や、自転車のカゴに入れたときの振動に負けない高い堅牢性と振動耐性を実現。マスクを取らずに認証できる指紋認証、紛失対策の探しものトラッカー「Tile」への対応なども。さらに、Z世代の意識が高い環境への取り組みとして、海洋プラスチックおよび紙製品の梱包緩衝材を採用したり、取扱説明書を薄型化したりしています。
また、CHシリーズ向けに開発されながら利便性が高いことから、全モデルに標準搭載となったAIメイクアップアプリ「Umore」もあります。PCに接続したカメラや会議アプリを問わずに利用でき、美肌や小顔、リップ、アイブロウ、チーク、カラコンなどをワンタッチで設定。顔の動きにも自動的に追従します。女性だけでなく男性でも使いやすいよう、無精ヒゲを隠すといったことも可能となっています。
「朝早くから始まる授業だとメイクしている時間が取れない」という学生も多く、簡易すぎず本格的すぎもしない「身だしなみ」程度のメイクアップを可能にするUmoreは、実用性の高いアプリと言えそうです。
このほか会場には、新モデルの「MH75/H1」「AH50/H1」「NH90/HA」も展示していました。