FTXの破綻により、今週に入ってから仮想通貨の自己管理を求める声が高まっている。バイナンスCEOのチャンポン・ジャオ氏も、自己管理は「基本的人権」だと述べている。しかし、デジタルな資産を自ら保管することには未だリスクもあると、警告を発する者もいる。
分散型金融と自己管理の精神は今週になって人気になっているが、そこにはリスクも存在するということも注目されなければならないと、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏はツイッターで述べている。ブテリン氏によれば、スマートコントラクトのコードにおけるバグなどがこうしたリスクの一例であるという。そうしたバグを避けるためにも、コードをシンプルにする、監査を行う、フォーマル検証をする、多層防御を構築する、などといった対策をするべきだともブテリン氏は述べている。
スマートコントラクトにおけるバグの他にも、死後に暗号資産を転送できるかどうかということもソーシャルメディア上で話題になった。自分が死亡したとみなし、近親者に自らの仮想通貨を回収してもらうよう頼むなどといった、自己管理が可能かどうかを試すテストを提案しているのは、証券会社ウォッチドッグ・キャピタルの幹部であるブルース・フェントン氏である。相続のための計画が無ければ、自己管理は完全ではないとフェントン氏は言う。「その資産は誰の手にも渡らないのだ」とフェントン氏は主張している。
仮想通貨のデータプラットフォームであるメサーリでリサーチアナリストを務めているトム・ダンリーヴィー氏は、自己管理への需要があるのかどうかという観点を提示している。自己管理は「人口の95%が望んでいないものだ」とダンリーヴィー氏は主張している。
仮想通貨のユーザー数を数十億人規模にしようというのであれば、安全で、透明性があり、信頼できる形で資産を管理するよう取り組まなければならず、ほとんどの人が必要としているのは何らかの保護措置とバックアップなのだと、ダンリーヴィー氏は述べている。