著者 DMM Bitcoin マーケットレポート
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・BTCは米国株より底堅い値動き
Trading viewより作成
上図は、今年9月初旬から現在までのBTCとNYダウ平均株価の値動きを比較したものだ。
よく耳にするように2021年から、BTCと米国株式市場は、相関関係の強まりが目立つようになってきた。
これはひとえに、これまで新興の代替的資産市場だったBTCが、株式や債券などの伝統的金融市場と同様に普遍的に認識され始めていることを示しているといえる。
しかし、ここ最近のBTCの値動きに着目すると、相関性は認められるものの米国株式市場より、底堅い値動きをしていることがわかる。
NYダウは今年9/7に付けた31,500USD付近の安値からさらに下落し、10/1に再度28,700USD付近の安値を付けているのに対し、BTCは9/7に付けた18,600USD(約265万円)を大きく割り込む状況になっていない。
理由の一つとして想像しやすいのが、トラス首相の政権下で巻き起こった市場の混乱の逃避先となった可能性があったという点だ。
イギリスでは、先日トラス元首相が就任から2か月で首相の座を辞任するという異例の事態が起きた。トラス元首相は就任した9月に所得税率の引き下げ、法人税率の引き下げなど国債増発を財源とする大型の減税案を提示した。
しかし、財源が確保できていない状況で国債を増発すれば、英国債の価格は下落し英国債利回り上昇を生みかねない。金利が上昇すれば、イギリス経済は景気悪化に陥る可能性も危惧される。
これを嫌気し、イギリスポンドは大きく下落し、市場の混乱を招いた。イングランド銀行はこれを受けて0.5%の利上げと国債売却発表の直後に市場の安定化を図るために無制限の国債買い入れを行うという、ブレーキとアクセルを同時に踏むような事態に発展した。
この出来事がBTC市場にどのように波及したかに着目すると、ポンド建てのBTCの取引量が平時の10倍近くにはねあがったという報告もみられ、イギリス市場の混乱の逃避策になった可能性は大いに考えられるように思う。