ビットコイン(BTC)と仮想通貨市場全体は2018年以来、最も危機的な瞬間の一つを経験しており、2022年初頭から1兆ドル以上の市場価値が吹き飛んだ。
今回の危機をきっかけにマイニングの収益性は2020年10月の水準まで低下したことで、ビットコインマイナーの売却が7カ月ぶりの高水準に達し、コミュニティはパニック状態に陥っている。
ビットコインの恐怖・貪欲指数は、2019年第3四半期のパンデミック前の時期以来で最も低い数値を記録し、水曜日に「極度の恐怖」を示す7にまで低下した。
このような業界における最近の出来事は決して良いものではない。だが一部の専門家にとってはそれは表面的なものだという。
業界の人々によれば、弱気市場はむしろビットコインや仮想通貨業界にとって健全であると主張している。弱気市場が投機家や詐欺師を排除し、本物の優れた製品やサービスを構築するための環境を提供するからだ。
トレザー・のアナリストであるジョセフ・ティテク氏は「現在の状況は長期的にはビットコインにとって良いことで、レバレッジや詐欺、不正な企業から市場を浄化するものだ」とコインテレグラフに語った。
ティテク氏によると、過去の弱気相場では、より安価で高速なビットコイン取引を可能にする「ライトニング・ネットワーク」をはじめ、多くの極めて重要なプロジェクトが生み出された。ライトニング・ネットワークの最初のコンセプトは、2015年の弱気市場で作られている。
仮想通貨の冬と弱気市場により、投機が市場から去るため、開発の機会が増えるとティテク氏は指摘し、次のように語る。
「弱気市場”はビットコインにとって好都合だ。開発者の気を散らすようなことが減り、迅速なVC資金と素朴な個人投資家からの資金を求めているだけの偽の『プロジェクト創設者』は、過去の場合と同じようにすぐに姿を消すだろう。本物の開発者は、すべてのデタラメが洗い流されたときに歓喜するだろう」
仮想通貨市場は成長と成熟のために仮想通貨の冬を経験する必要があると、ビットコイン・スイスのダーク・クレーCEOはコインテレグラフに語る。同氏によると、仮想通貨サービスや製品の品質、安定性、安全性は、不透明な市場環境の中でさらに重要になる。
「最終的には業界がさらに成熟するために必要なことであり、私たちは日々、これらの基準に応えることを目指している」