Valveは携帯ゲームPC「Steam Deck」サポートの一環として、ゲームを中断した後ほかのPCですぐに続きが遊べるSteamの新機能「動的クラウド同期」(Dynamic Cloud Sync)を発表しました。従来のSteamクラウド(クラウド経由でセーブデータを同期)の拡張であり、プレイヤーはSteam Deckと他のゲーミングPC間を「シームレスに移動できる」と謳われています。
公式ブログにてValveが述べているように、Steam Deckは他の携帯ゲーム機と同じく、ゲームを終了することなく頻繁に中断すると予想されます。かつてのニンテンドー3DSやPS Vita、現役のNintendo Switchであれ、たしかに休憩の区切りや移動するときに「一度オフにして、少し後に再開」はよくあることです。
Valveいわく、本機能は「デバイスがスリープモードに入る前に、Steamは変更されたすべてのセーブゲームデータをクラウドに自動的にアップロード」するとのことです。つまりゲームを終了せずにSteam Deckのフタを閉じ、ゲームアプリ側(動的クラウドセーブAPIを統合したもの)がスリープを検知すれば、そのステータスをクラウドに保存。それを他のPCで読み込み、中断した続きを遊べるというわけです。
またSteam Deckのスリープが解除されると、Steamは自動的にセーブゲームの変更をダウンロードするそうです。フタを閉めてから開けるまでの進行状況が反映され、同じ展開を繰り返さなくて済むということでしょう。
この機能をプレイヤーが使うためには、開発者が自らのゲームで(SteamWorks設定により)有効にする必要があります。動的クラウド同期が有効になっていない場合でも、Steam側でSteam Deck上のセーブデータ変更を追跡するとのこと。ただし、その場合プレイヤーが「ゲームの実行中にDeckを中断して別のPCで再開」しようとすれば、まずDeck側で実行中のゲームを終了するか、直近のゲーム進捗を反映せずにゲームを続けるか選ぶよう促されるそうです。
外出先ではSteam Deckでゲームを進めておき、激しいアクションなどは自宅のPCと大画面ディスプレイに切替えたい人達も少なくないはず。すでにメインのゲーミングPCを持っているユーザーがサブ機としてSteam Deckを使うときに、大いに活躍することになりそうです。
Source:Steam
via:Polygon