Engadgetでは年末年始にかけて、おすすめのガジェットやサービスを紹介するベストバイ2021企画を展開しています。以降から、2021年に反響の多かった堀江くらはさんのレビュー記事を再掲してお届けします。
「なんか普通のFPSにも飽きてきた。銃以外のものを使いたい」そう思ってはみたものの、素手や剣で戦うタイプのゲームはしっくりこない、やっぱり飛び道具こそ至高だ……。こんな風に考えているあなたにオススメなのが、新感覚ブーメランアクションFPS「Boomerang X」です。
Devolver Digitalが配信、開発はDANG!が行い、PC(Steam)とNintendo Switch向けにリリースされた本作では、銃ではなくブーメランを手にし、スピーディーでスタイリッシュな空中ブーメランアクションを楽しむことができます。
尚、価格はSwitch版、Steam版共に2050円とインディーらしくお手頃価格となっています。
■神秘のブーメランで敵を薙ぎ倒せ!
本作のストーリーは、流れ着いた島で崩壊した文明と神秘の力を持ったブーメランを発見。ブーメランを手に、迫りくる敵と戦うというもの。どうやらこの文明にはかつてカマキリ人間が住んでいた様子で、各地に破壊されたカマキリ人間の像が点在しています。ストーリーは薄っすらとしか存在しませんが、道中にいるムカデの「テーパン」と話すことで、この世界について知ることができます。
さて、本作はアリーナ型、ウェーブ制のFPS。武器はブーメランしかありませんが、後述するスキルを使いこなすことでハイスピードかつスタイリッシュなアクションを楽しむことが可能です。
投げたブーメランはまっすぐ飛んだのち、手元に戻ってくるのですが、ブーメランは直線的に動くので、FPSで銃を打つのと同じようにプレイすることができます。
ポイントは戻ってくるときにも攻撃判定がしっかりあること。ブーメランはプレイヤーの位置に戻ってくるだけでなく、任意のタイミングで戻すこともできるので、うまく移動してブーメランの軌道をうまく調整したり、適切なタイミングで手元に戻せれば行き帰りで複数の敵を倒すことができます。最初のうちは返ってくるブーメランで敵を倒すだけで中々の爽快感を味わうことができ、パズルゲーム的な面白さも感じられます。慣れてくると遠くの敵を行きで倒し、近づいてきた敵を戻りで撃破するなんてことも可能です。
■瞬間移動とスローモーション、2つのスキルでスタイリッシュに!
そして、本作の肝となるのはステージを進めていくことで解禁される二つの特殊能力。
投げたブーメランの元に瞬間移動するスキル「スリングショット」と、ブーメランを構え、狙いを定めている間に時間をスローにするスキル「フラックス」です。
本作のステージは高低差があるので、ワイヤーアクションのごとく空中を縦横無尽に移動し、上昇と下降を繰り返しながら戦うことになります。そのため、スリングショットは空中移動や回避、ポジション取りなどに大活躍。「一度の着地まで」といった回数制限はなく、際限なく使用できるので、空中にい続けることも可能。というか、後半のステージになると地面を移動するよりもスリングショットで空中に浮遊している時間のほうが長いなんてこともざらです。
スリングショットでの空中移動がゲームに加わると、一気にゲームスピードが高速化します。始めのうちは使いこなすのが難しく、思ったように空中を移動できませんが慣れてくると動きの幅が広がっていき、どんどん上達を感じることができます。
スリングショットでの空中移動をし続けていると、どうしても自分や敵の位置が分からなくなりがち。また、空中で敵や移動したい方向にエイムを向けるのも大変です。そんな時のためにあるのがもう一つの目玉スキル「フラックス」。フラックスはブーメランを構えている間、数秒間だけ時間の進みを遅くするスキルで、エイムや移動をサポートしてくれる本作の潤滑油的な存在です。
本作は後半になるほど敵の攻撃も苛烈になり、四方八方から敵が押し寄せてきますし、特定の部分を攻撃しなければ撃破できない敵も出現するので、フラックスを上手く使うことがクリアのカギになってきます。
また、ステージをクリアしていくと投擲やスキルで敵を複数倒すと使用できる、範囲攻撃スキルが幾つか手に入ります。中盤以降はこれらのスキルの発動条件を満たすことを念頭に置きながら立ち回ることになります。これらのスキルは敵をまとめて倒せるので決まると気持ちがいいです。
■縛リプレイで何週もプレイ
こんな風に本作はブーメランの軌道と空中移動が独特のスピード感あるアクションを産み出しており、慣れてくれば次々と敵を倒していくことで爽快感を味わえるゲームです。先に進むごとに新しいアクションが解禁されていき、難易度も上昇するので、新アクションをどう使用していくか、新たな敵の攻撃をどう見切るかといった試行錯誤する楽しさがあります。
ボリュームはそれほどでもなく、筆者は数時間でクリアしてしまいましたが、設定でシールド縛りプレイが可能だったり、タイムアタック用のタイマー機能も付いており、腕を磨きながら何週もプレイするタイプのゲームとなっています。骨太アクションゲームが好きな方なら、ハマるはずなので、是非プレイしてみてください。本作にはデモ版もあるので、まずはそちらをプレイしてみるといいでしょう。
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