年末年始、離れて住んでいる家族や親戚と久しぶりに会う方も多いのではないでしょうか。しかし、一時的に帰省できても、高齢の親を持つ方にとってはまだまだ不安な状況が続いています。
頻繁に体調を報告してもらうのはお互い大変だし、電話で話すと愚痴が長くて… など、健康について的確にコミュニケーションをするのはなかなか難しいものです。その助けになりそうな機能が、iOS 15に搭載されました。「ヘルスケア共有」です。
ヘルスケア共有は、iPhoneの「ヘルスケア」アプリに記録された情報を、他の人のiPhoneにシェアできる機能です。親のiPhoneから自分のiPhoneへ共有しておけば、いつでもアクティビティや心拍数などの状態を確認することができます。
実際にどのようなものなのか、筆者の母(72)とヘルスケア共有を設定してみました。
Apple Watchを設定する
「ヘルスケア共有」機能はiPhoneだけでも使用できますが、Apple Watchを使うと記録できるデータが大幅に増えます。アクティビティの消費カロリーやスタンド回数、心拍数、血中酸素ウェルネスなどは、iPhone単体では計測できないからです。離れて見守る目的なら、Apple Watch(などのスマートウォッチ)の計測データがクリティカルな部分と言えるでしょう。
母には以前にもApple Watch Series 3を使ってもらったことがあります。当時、初めは新しいデバイスに抵抗があったようですが、「腕時計と同じでただ腕につけるだけ。寝る前に充電だけして」と説明すると、試す気になってくれました。その時に得た、使ってもらうためのコツが下記の項目です。
親にApple Watchを使ってもらうコツ
- 「普通の腕時計と同じで、つけているだけでOK」と説得
- 枕元など、使いやすい場所に充電器を設置しておく
- 文字盤はアナログ表示でシンプルなものに
- 余計な通知はできるだけオフにしておく
せっかくなので今回は大きくなった文字盤を試してもらおうとSeries 7を選びました。残念ながら大きさが変わったことには気づかなかったようですが、「血中酸素ウェルネス」や「心電図」などの計測機能には興味がある模様。健康に関わることになると、アンテナの感度が違うようです。
ただし、「血中酸素ウェルネス」機能は医療機器として認められたパルスオキシメーターとは異なるので、これを元に医療的な診断ができるものではないことを伝えておく必要があります。
「ヘルスケア共有」を設定
続いて、iPhoneから「ヘルスケア共有」を設定します。これは母のiPhone SE(第2世代)をロック解除してもらい、筆者が操作しました。
以上で母側のiPhoneの設定は完了です。続いて、筆者のiPhoneに届いた参加依頼を承認します。
以上で設定が完了です。
共有されたデータを確認する
共有設定が完了するとすぐに、筆者のiPhoneから共有中の情報を確認できるようになりました。
気になった時に開いてみて、アクティビティが進んでいると今日も変わりなさそうだなと思って安心します。転倒や異常な心拍の通知も、完全ではないにしても届けてくれるなら全然ありがたいです。
毎日開いて観察するわけではありませんが、お互いの生活を変えずに情報を共有するには良い手段になりそうです。今回はひとまずセッティングまで済ませたので、しばらく使用した後に改めてレポートしたいと思います。