ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は11月30日、モスクワで開催された投資フォーラム「Russian Calling」で仮想通貨に対して批判の声を上げた。地元ニュースのlenta.ruが報じた。

「何の裏付けもないし、ボラティリティーがとんでもなく高いので、リスクが非常に高い。私たちは、その高いリスクについて語る人たちに耳を傾ける必要がある」

プーチン大統領は、仮想通貨の監視と規制の強化を呼びかけ、世界のある国ではデジタル通貨の導入が進んでいることにも言及した。

一方でロシアでは、仮想通貨の規制は始まったばかり。政府は、中央銀行デジタル通貨の立ち上げを検討しているが、デジタルルーブルの発効には、少なくとも8つの連邦法と5つの立法コードを変更する必要があり、簡単には進みそうもない。

さらに、国内には仮想通貨マイニングに関する規制がない。このため、ロシアでは年間20億ドルのマイニング収入が発生しているが、それに対して税金が支払われていないと主張する人もいる。規制の枠組みがないことも影響し、一般のロシア人の間で仮想通貨の利用が急増し、取引額は毎年50億ドルを超えている。

また、旧ソ連の他の地域でも、仮想通貨は急速に普及している。カザフスタンは、ビットコイン(BTC)のハッシュレートで世界最大となっており、大統領はこうした活動からより多くの税金を徴収して国の経費に充てようとしている。ウクライナでは、政府が合法的な仮想通貨事業を積極的に奨励。昨年、ポーランドのオルシュティン市は、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを緊急サービスに採用した。