2023年に購入したベストアイテム、今回紹介するのはカメラマンの落合憲弘さんセレクトのフルサイズミラーレス「α7R IV」(ILCE-7RM4A)です。AIプロセッシングユニットを搭載してAF性能をグンと引き上げた最新モデル「α7R V」を試したあとに買ったのはα7R IVだった…というへそ曲がりな機種選びをしたワケは? 落合カメラマン、実はα用の交換レンズも1本購入していたくお気に入りということで、そちらにも触れてもらいました。

  • 選んだ製品:α7R IV
  • 価格:32万円(量販店実店舗)
  • 選んだ理由:画素数
  • 満足度(5段階):★★★★

ソニー「α7R IV」(ILCE-7RM4A)は、「α7R V」のレビュー記事(前編「リアルタイム認識AFの効能をMAXで引き出す方策とは?」、後編「軽快な使用感と重圧の実売価格に翻弄される我が物欲」)を執筆した後に購入したもの。最新型の「R」は、AFなどの機能や使い勝手は確かに向上していたけれど、「AFに知性はなくても困らない」「4軸マルチアングル液晶モニターの魅力は大きいが、なくても我慢できる」「そして何より実際に撮れる写真に大きな違いはない」――といった個人的な判断により、きわめて前向き、かつ積極的に“旧型”を入手したという流れだった。

  • 有効6100万画素の高画素センサーを搭載するフルサイズミラーレス「α7R IV」(ILCE-7RM4A)。実売価格は38万円前後。装着しているレンズは、タムロンの高倍率ズームレンズ「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」(実売価格は85,000円前後)

そこに至るには、そもそも以前からα7R IVが欲しいと思っていたことに加え、2023年の年初、某量販店におけるα7R IVの実売価格(ネットではなく実店舗での販売価格)が、おそらくはα7RVが登場したことにより乱高下していたことが大きなきっかけになっている。っていうか、それにケツを蹴飛ばされたといった方が適切かもしれない。

全国の店頭在庫と販売価格の動きをチェックすること数日間。底値と判断したタイミングで実店舗に赴き、そこでダメ押しの価格交渉を経ることでゲットできたのは、ポイント分を差し引けば30万円を下回るバーゲン価格だった。未だ第一線級のスペック、とりわけ新型と差のない61MPの解像度(画素数)が、実質30万円未満で入手できたことの喜びと経済効果がとてつもなく大きかったことはいうまでもない。大きく波打っていた当時の実売価格に、心の底から感謝であります! 

とはいえ、Rの4型で満足できるかどうかは、何を求めるのか、どのように使うのかによって判断が異なると思うので、もしミジンコほどでも迷いがあるのなら5型を買っておいた方がいいかも、ですよ。知らんけど(笑)。

  • 所有機材の中における位置づけは「禁断のトリミングマシーン」。必要に応じ大胆にトリミングできることを前提とした、あくまでも解像度重視の相棒だ。そのための61MPであり、その実力と余裕は等倍表示で明らかとなる

FE 20-70mm F4 Gも買っちゃった!!

パナソニックの「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 S」に憧れを抱き、ヘタすりゃそれを使うためだけに「LUMIX S5」を買いそうになっていたワタシの気持ちを読んだかのように、ソニーは「FE 20-70mm F4 G」を出してくれちゃったワケで、おっといけねぇ、ついつい手に入れちまったでねぇか。

  • 2023年2月に販売を開始した「FE 20-70mm F4 G」。実売価格は185,000円前後。装着しているボディは「α7C」

本当は、愛用のα7Cに装着し首から提げてもしっくりくる、あともう少しの小ささと軽さがあればカンペキだったのだけど、そこはLUMIXの向こうを張るテレ端「70mm」と「F4通しの開放F値」とのトレードオフ。まずは、このスペックで、この大きさとこの軽さを実現しているところを評価すべきなのだろうな。

で、結構ヤバいのは、このレンズとコンビを組ませる新たな相手に「α7CR」が欲しくなっているワタシのココロ。α7CRは反則だよなぁ。マジでソニーにしかできない荒業だもん。振り返れば、そにーのそーゆーランボーなトコロに翻弄され続けたここ数年だったのだけど、2024年はもう少し距離を置かないとな。そうしないと、身も財布の中身も持ちましぇん・・・。

  • 開放F値から一切の破綻を見せない描写は、さすがはGレンズといったところ。最初から「24-70mmF2.8クラスの標準ズームレンズ」ではなくコチラをセレクトする攻め方も十分アリでしょう!