著者 DMM Bitcoin マーケットレポート
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ポリゴン(MATIC)は、暗号資産市場での時価総額順位を順調に切り上げており、シェア拡大中の銘柄といえる。(67位(2021年2月末)→14位(2021年12月末)→10位(2022年12月末))
2022年はポリゴンにとって、企業や団体との提携を強めた一年となった。2022年2月にはプライベートトークン販売でソフトバンク等から約520億円調達し、9月には米スターバックスのNFTのポイントサービス基盤として採用された。12月には米ワーナー・ミュージックと複数年のパートナーシップを締結したと発表している。
今回はこの銘柄に焦点を当ててみる。
・ESG関連銘柄としての側面
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字のことで、近年、企業等の長期的な成長に重要とされるようになった観点である。
ESGに適格とされる銘柄にはESGファンドに組み込まれる等の恩恵もあるが、不適格とされれば投資候補から除外される可能性もある。
まず、「環境」について、暗号資産市場における代表例としては、2021年5月のビットコインの急落が挙げられる。
当時の暗号資産市場は社会での活用の広まりやインフレヘッジとしての期待から右肩上がりで上昇していたが、テスラ社CEOが「マイニングと取引における急激な負荷を懸念し、ビットコイン決済の中止する」と表明したことで、当日のビットコインは前日比-6%の急落。暗号資産に環境への配慮がより求められる転機となった。
このほか、「社会」については、韓国取引所におけるライトコインの上場廃止(プライバシーの新機能を用いた資金洗浄への懸念のため)、「ガバナンス」については2020年末のSECによるリップル社訴訟問題や、2022年後半のFTXショックが挙げられるだろう。
そのなかで、ポリゴンはESGについて積極的に取り組んでいるといえる。
ESGの「環境」と「ガバナンス」に関しては、グリーンマニフェストを公表し、2022年6月には炭素クレジットの購入でカーボンニュートラルを達成したと発表している。
「社会」の面でも、前述の企業との提携に加えて、2022年10月には海洋保護団体「OCEEF」と提携し、海洋教育やNFTを用いたプロジェクトの計画を発表しており(2022/10/7 幻冬舎 あたらしい経済)、ESGを念頭に置いた方針が伺えるだろう。
一方で、ESG投資については、定義が先行して選ばれるような時期が過ぎたとも考えられる。米国の一部の州でもESGを再考する機運が高まっており(2023/1/20 日本経済新聞)、ウクライナ危機による資源高・物価高も一因となっている。
今後は、ESG関連銘柄内での競争が激しくなるとも考えられ、収益性や現実性などの観点で選別されていく展開も視野にいれておきたい。
次に、昨年のポリゴン(MATIC)の価格推移について、他の当社取扱い銘柄と比較する。