仮想通貨マイニング企業のは、現在進行中の弱気市場を乗り切るため、主力マイニング施設「ヘリオス」を売却するという難しい決断を下した。
アルゴ・ブロックチェーンのピーター・ウォールCEOは12月28日、マイク・ノボグラッツ氏が率いる仮想通貨投資企業ギャラクシー・デジタルと、ヘリオスを6500万ドルで売却する契約を発表した。
さらにギャラクシーはアルゴに3500万ドルの新規設備資金融資を提供し、経営難に陥ったアルゴの債務削減を支援する予定だ。「売却益とギャラクシーからの融資で、NYDIGや他の担保付融資会社に対する負債を返済した」とウォール氏は述べている。
この新しい取引は、アルゴの負債総額を4100万ドル削減し、流動性と経営構造を改善し、マイニング作業を継続できるようにすることを目的としていると、ウォールCEOは述べている。
ウォール氏は、エネルギーコストの高騰とビットコイン価格の低迷による圧力の中で、この取引は弱気相場を通じて「唯一実行可能な前進の道」であると主張している。
またウォール氏は、アルゴがヘリオスを売却したにもかかわらず、同社はマイニングマシンを一切売却していないことを強調した。「それらはヘリオス施設でマイニングを続けるつもりだ」とウォール氏は述べ、アルゴもヘリオスでマイニングマシンを稼働させ続ける契約にサインしたと付け加えた。
この契約は、アルゴが2022年5月にヘリオスを正式に立ち上げてからわずか6カ月で実現した。米テキサス州に位置するヘリオスは、200メガワット(MW)の電力をサポートする、アルゴ最大のマイニング施設だ。これに対し、アルゴの別の施設であるBaie Comeauは、約15MWを稼働させている。
またアルゴを巡っては、普通株式の募集による2700万ドルの資金調達に失敗した後、アルゴが資金確保に苦しんでいた。アルゴは10月、新たな資金調達に失敗したため、閉鎖の危機に瀕していると発表した。12月中旬には、アルゴは破産申請を回避するため、資産売却の交渉と「設備資金調達の取引」を試みていると発表していた。