TVS REGZAは、薄型テレビ「REGZA」の2022年モデル第2弾を7月1日から順次発売する。量子ドット技術を投入した4K液晶テレビなど4シリーズ11機種と、ミドルレンジの4K有機ELテレビ3機種を用意。4K量子ドット液晶の43V型は8月発売で、店頭予想価格は16万5,000円前後。
テレビ用高画質処理エンジン「レグザエンジンZR II」を全機種に搭載。ミニLED液晶を搭載した2022年モデル「55Z870L」(6月下旬発売予定)で初めて採用したもので、REGZAならではのさまざまな高画質技術を投入しており、ミドルレンジを含む幅広い機種の画質強化に寄与する。
価格はすべてオープンプライス。ラインナップと主な特徴、店頭予想価格、発売時期は以下の通り。
4K液晶テレビ
■Z770Lシリーズ(量子ドット / 倍速液晶 / タイムシフトマシン)
- 75V型「75Z770L」:37万5,000円前後 / 8月
- 65V型「65Z770L」:31万円前後 / 8月
- 55V型「55Z770L」:25万5,000円前後 / 8月
■Z670Lシリーズ(量子ドット / 倍速液晶)
- 50V型「50Z670L」:19万円前後 / 8月
- 43V型「43Z670L」:16万5,000円前後 / 8月
■Z570Lシリーズ(倍速液晶)
- 65V型「65Z570L」:26万5,000円前後 / 7月1日
- 55V型「55Z570L」:19万円前後 / 7月1日
- 50V型「50Z570L」:15万5,000円前後 / 7月1日
- 43V型「43Z570L」:13万5,000円前後 / 7月1日
■M550Lシリーズ(通常液晶)
- 75V型「75M550L」:25万5,000円前後 / 8月
- 65V型「65M550L」:19万円前後 / 8月
4K有機ELテレビ
■X8900Lシリーズ(新世代 倍速対応パネル)
- 65V型「65X8900L」:44万円前後 / 7月下旬
- 55V型「55X8900L」:31万円前後 / 7月下旬
- 48V型「48X8900L」:25万5,000円前後 / 7月下旬
液晶REGZAに量子ドット機追加。新世代の有機ELパネル採用も
ミドルクラスの「Z770L」、「Z670L」の2シリーズには、広色域で色鮮やかな高画質を実現する量子ドット技術を投入。新開発の直下型バックライトに青色LEDと量子ドットシートを組み合わせることで赤や緑の再現性を向上させており、さらにエリアコントロールを行うことでコントラスト向上も図った(43V型は除く)。
2022年はTVS REGZA以外にも、量子ドット技術を投入したテレビ新製品が複数登場しているが、それらはバックライトに通常よりも小さなLEDを敷き詰めて緻密に制御する“ミニLED”を採用したハイエンド機がほとんど。Z770L/Z670Lは、通常サイズの青色LEDと量子ドットを組み合わせることで画質を強化しつつコストを抑え、リーズナブルな価格帯にもバリエーションを増やしたかたち。
ちなみに、量子ドット技術は特殊なシートに光を通して波長変換を行い、従来の液晶テレビでは再現が難しかった高純度の緑、青、赤を実現するもの。海外市場では以前からこの技術を採用した製品が複数登場しているが、技術的に安定し、量産体制も整ってきたことで、量子ドット採用テレビのムーブメントが来ている模様だ。
Z770LとZ670Lはサイズバリエーションが異なるほか、上位のZ770Lには見たいTV番組を録りためておける“全録機能”「タイムシフトマシン」を搭載。ほかにも、エリアコントロールへの対応(43V型は非対応)や、搭載しているスピーカーの数(75V型のみ11個、ほかは9個)が異なり、75V型以外は回転スタンド仕様といった違いがある。
液晶テレビのパネル解像度は、量子ドット採用のZ770L/Z670L、量子ドットではないZ570LとM550Lのいずれも4K/3,840×2,160ドットで、M550L以外はすべて倍速対応。バックライトは直下型LEDで、上位のZ770L/Z670Lは高輝度なものを採用している。また、Z570LとM550Lはエリアコントロールには対応しない。タイムシフトマシン機能はZ770Lのみ備える。
有機ELのX8900Lシリーズについては、新世代の倍速対応有機ELパネル(4K/3,840×2,160ドット)を採用。高冷却インナープレートとメタルバックカバーを組み合わせて輝度性能を高め、「明るく鮮やかで黒の引き締まった新世代の有機EL高画質」を追求した。
前述の通り、「レグザエンジンZR II」を全機種で搭載しており、主な高画質技術の名称と働きは以下の通り。
- 美肌AIフェイストーンZR II
人肌の立体感や質感を向上させるとともに、黒ずみや白飛びなどを抑制し、自然な人肌を再現。さらに、撮影環境などの影響により不自然に感じるカラーシフトした人肌を自然で美しい色合いに補正する - ネット動画AIビューティZR II
ネット動画の特性に合わせて高画質処理を施し、コントラストと精細感の向上、ノイズ抑制を行い、低フレームレートコンテンツもなめらかに再生する - 地デジAIビューティZR II
放送波ノイズを低減して高精細な映像を再現。テロップまわりのノイズや動きのある映像で発生する動きボケを抑える。クラウド上の番組やジャンルごとの映像調整パラメーターを利用して高画質処理を行う「クラウドAI 高画質テクノロジー」も活用
サウンド面では、いずれも立体音響のDolby Atmosに対応(M550Lを除く)。「オーディオキャリブレーション」を全機種に導入しているのがポイントで、リモコンのマイクを使ってテレビから発するテストトーンを測定することで、さまざまな視聴環境に合わせたオーディオ設定に自動調整するという。
量子ドット液晶のZ770L/Z670Lは「重低音立体音響システムZ」を採用。背面の重低音バズーカと、画面下部の2Wayバスレフボックスメインスピーカーに、本体背面上部のダブルトップツイーターを加えた9スピーカー構成で、立体的で重厚なサウンドを鳴らすという。75V型の75Z770Lのみスピーカー構成が異なり、ダブルフルレンジスピーカー&ツイーター構成の2Wayメインスピーカーで計11個のスピーカーを備える。最大出力は60W。
有機ELのX8900Lは、先代X8900Kと同様に、スピーカー6基を搭載した「重低音立体音響システムXP」を継承し、最大出力は72W。液晶のZ570Lはスピーカー3基の「重低音立体音響システム」を備え、出力は40W。M550Lはスピーカー2基で出力20W。
REGZAの2022年モデルは、すべてプラットフォーム(OS)にレグザ専用Linux OSを採用しており、Android TV搭載モデルはラインナップしていない。付属のリモコンはいずれもAmazon Prime Video、Netflix、Disney+、ABEMA、YouTube、TVer、dTV、U-NEXT、Hulu、Net.TVのダイレクトボタンを備えた新しいものに刷新している。
ゲーミングスペックについては、4K/120p入力とVRRに、M550Lを除く全機種で対応。ALLM、eARCにはM550Lを含む全機種で対応する。さらに、1080p/120Hz入力時には0.83msの低遅延表示を実現するという(M550Lは1080p/60Hz入力時)。