ビーコンチェーンにおけるイーサリアム(ETH)のステーキングのデポジットコントラクトが29日、1200万ETHに到達した。Eth2コントラクトにロックされたイーサの総価値(TVL)は約345億ドルに相当する。

デポジットコントラクトは20年11月にローンチされ、現在はETHの全流通量の約10%に相当する額が預けられている。

Beacon chain staking contract. Source: Etherscan

ビーコンチェーンは、イーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のコンセンサスモデルへの移行の最初の大きなステップとなっている。Eth2でバリデーター(検証者)になるには、トレーダーは最低32ETHを投資する必要がある。従って、ビーコンチェーンのコントラクトが史上最高の345億ドルに到達したことは、この1年でイーサリアムの統合アップデートが複数回延期されたにもかかわらず、今後のEth2に対する需要と信頼が非常に大きいことを示している。

ETH開発者は21年12月にPoSネットワークのコミュニティテストを開始したが、22年6月に予定されていた統合時期が再び延期され、新たな統合予定日は未発表となっている。

イーサリアムの誕生以来最大規模のアップグレードは数々の課題に直面し一連の延期を余儀なくされてきた。それにもかかわらず、デポジットコントラクトは過去2カ月で200万ETH以上預けられ、著しい成長を遂げている。

イーサリアムのPoSへの移行に対して、仮想通貨市場ではさまざまな意見が出ている。エネルギー問題を懸念する人々はPoSへの移行でネットワークのエネルギー消費を90%低減できるとしてこの動きを称賛している。その一方で、ジャック・ドーシー氏をはじめとするビットコイン(BTC)支持者は、PoSのマイニングコンセンサスはPoWより中央集権的で安全性が低いという考えを示している。

ビーコンチェーンのイーサリアムメインネットへの統合によりEth2への移行が完了することになる。これから予定されている統合により、イーサリアムネットワークはシャーディング(並行処理)の実装で支払い処理が桁違いに高速化され、中央決済プロセッサーに匹敵するようになると期待されている。