明石家さんまが企画・プロデュースした劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』が、第46回報知映画賞 アニメ作品賞を受賞したことが1日、発表された。
さんまが直木賞作家・西加奈子氏の小説に惚れ込み企画・プロデュースした本作は、漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコが紡ぐハートフルコメディ。『ドラえもんのび太の恐竜2006』(06)、『海獣の子供』(19)の渡辺歩氏が監督を務め、STUDIO4℃がアニメーション制作を手がけた。また、肉子ちゃんの声を大竹しのぶ、娘・キクコの声を声優初挑戦のCocomiが演じた。
このたび、本作が第46回報知映画賞 アニメ作品賞を受賞。『えんとつ町のプペル』『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』『竜とそばかすの姫』他、11作品がノミネートされた中での受賞となった。
今回の受賞を受けて、明石家さんま、渡辺歩監督がコメントを寄せた。
■明石家さんま
この受賞は、完全にスタジオ4℃さん、渡辺監督の力です。アシストしただけで、もう俺の物じゃないんで。有難いことです。
憧れていた報知映画賞、どうしても欲しかったので、頑張った甲斐がありました。今日から報知新聞取るようにします。
■渡辺歩監督
この映画を作れてよかった。
報知映画賞アニメ作品賞受賞の報を受け最初にそう思いました。数あるタイトルの中から本作を見つけて下さり、審査いただけた事に感動しております。思えば本作はとある親子のささやかな生活をささやかに描く本当にささやかな物語でして、ややもするとアニメ映画になりにくいものかもしれません。
「ターゲットとかそう言うのはええねん。作る側が面白いと思う事が大切」
そう言ったプロデューサーは実は誰よりも時代を見据え、それを大づかみにした上で自身のフィルターを通しプライドをかけて全力でお客さんを喜ばせる。シンプルに見えて、実は奥深い。奥深く見えて、実はシンプル。
「アニメ化」のアイデアは流行への安易な迎合でなく、深く鋭い表現者の嗅覚なのだとプロジェクトが動き出してすぐに気付かされました。
はたして完成した映画はその期待に応え得ているのだろうか…?
はたまた観客にとって優しい映画となれたろうか?心温まると感じてもらえたろうか?
心のおもむくままに笑ったり涙してもらえただろうか?
私たち送り出す側ができるのは心を込めて作ることだけで、その答えを持ってはいないのです。この受賞は大切な答えのひとつです。私たちスタッフにとってこの上ない喜びです。このささやかな映画を作れて本当に本当に良かったです!ありがとうございました!
(C)西加奈子/幻冬舎 (C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会